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行動経済学:思いやりのある大多数の人々の票が未来の人々を助ける

Nature 511, 7508

実験的経済学ゲームでは、行動に対する返礼や報復が可能であるため、協力が観察される場合が多い。しかし、この特徴は、ある極めて重要なタイプの協力では役に立たない。つまり、我々が欲しいがままに資源を乱開発しても、それに報復することができない未来の世代との協力である。未来の世代との協力が行われる条件を調べるため、O Hauserたちは、協力の実験室モデル「世代間財ゲーム(IGG)」を開発した。従来のゲームでは、利己的行動がグループ構成員にとっての社会的効率の損失につながるが、IGGでは利己的行動が悪影響を及ぼす相手は、次世代のグループである。2,000人を超える被験者を募って行われた実験で、資源の引き出しに関する意思決定が個人的に行われると、資源は離反者によって急速に使い尽くされることが示された。しかし、資源をどう利用すべきかに関して参加者に投票させると、資源は世代を超えて持続性のある利用のされ方をした。投票が功を奏する理由は2つある。多数派の協力者が少数派の離反者を抑えられること、そして全参加者が投票後に同じ利益を受け取るため、協力者が他者より利益が減ることを心配せずに済むことである。

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