Nature ハイライト
微生物学:腸の流行性感染症の出現
Nature 553, 7688
腸内病原菌のディフィシレ菌(Clostridium difficile)は、抗生物質に関連する下痢の主要原因の1つである。近年の流行では、重症化する強毒性リボタイプが出現しているが、これらの出現に関与する要因は分かっていない。今回R Brittonたちは、系統発生学的に異なる2種類の強毒性リボタイプRT027およびRT078が、低濃度の二糖類トレハロースを代謝する機構をそれぞれ独立に獲得したことを報告している。研究チームはまた、トレハロースを代謝するこの能力が、ヒト化マウスモデルで疾患の重症度と相関することも示している。これらのデータから、これらのリボタイプの出現と、トレハロースが食品添加物として広く使われていることに相関関係があることが示唆された。
2018年1月18日号の Nature ハイライト
微生物学:腸の流行性感染症の出現
天文学:星形成の「鍋」をかき混ぜる
ナノスケール材料:複数の刺激に対して応答する材料
気候科学:長期的な地球温暖化の見積もりを絞り込む
地球化学:深海の酸素
植物科学:細胞表面の相互作用のネットワーク
がん:高感受性の皮膚がん
がん:REV-ERBで抑制される腫瘍
細胞生物学:ノンストップコドン
構造生物学:O抗原多糖輸送体の構造