Nature ハイライト
植物科学:細胞表面の相互作用のネットワーク
Nature 553, 7688
細胞表面受容体は、細胞内部とその外部環境とのコミュニケーションを媒介している。具体的には、このような受容体の細胞外ドメイン(ECD)は細胞外分子と相互作用する。異なる受容体のECD間の相互作用が、どのようにしてシグナル伝達のための受容体複合体の形成に関わっているかはあまり分かっていない。今回Y Belkhadirたちは、植物の防御や発生などの過程において複数の役割を持つ植物細胞表面受容体の巨大なファミリーであるロイシンリッチリピート受容体キナーゼ(LRR-RK)群について、システムレベルでの構成を研究している。彼らは、ハイスループットアッセイを用いて4万の潜在的なECD相互作用を調べ、これらの受容体の細胞表面相互作用ネットワークを構築して、その動態を解析した。著者たちは、植物の発生や免疫において特性が明らかになっていないLRR-RKの機能を予測し検証することで、このネットワークが生物学的に意義のある相互作用を検出するのに有効であることを示している。
2018年1月18日号の Nature ハイライト
微生物学:腸の流行性感染症の出現
天文学:星形成の「鍋」をかき混ぜる
ナノスケール材料:複数の刺激に対して応答する材料
気候科学:長期的な地球温暖化の見積もりを絞り込む
地球化学:深海の酸素
植物科学:細胞表面の相互作用のネットワーク
がん:高感受性の皮膚がん
がん:REV-ERBで抑制される腫瘍
細胞生物学:ノンストップコドン
構造生物学:O抗原多糖輸送体の構造