Nature ハイライト
地球化学:深海の酸素
Nature 553, 7688
地質学的過去における大気中の酸素濃度上昇に伴う深海の酸素化は、現在の海洋の生物地球化学的循環が出現したことを示す証拠であると考えられている。深海の酸素化とそれに関連する大気中の酸素濃度の上昇の時期は、約8億~4億年前と見積もられており、この見積もりは、一般的には深海の地球化学的状態を間接的に反映した地球化学的特徴に基づいている。今回、海底の玄武岩中の鉄の酸化状態に基づいて、始生代から新生代の深海の酸素量を、より直接的かつ定量的に絞り込んだことが報告されている。著者たちは、深海の酸素化は顕生代に生じたもので、4億2000万年前以降の後期古生代までは生じていなかった可能性があると示唆している。
2018年1月18日号の Nature ハイライト
微生物学:腸の流行性感染症の出現
天文学:星形成の「鍋」をかき混ぜる
ナノスケール材料:複数の刺激に対して応答する材料
気候科学:長期的な地球温暖化の見積もりを絞り込む
地球化学:深海の酸素
植物科学:細胞表面の相互作用のネットワーク
がん:高感受性の皮膚がん
がん:REV-ERBで抑制される腫瘍
細胞生物学:ノンストップコドン
構造生物学:O抗原多糖輸送体の構造