Nature ハイライト
気候科学:長期的な地球温暖化の見積もりを絞り込む
Nature 553, 7688
平衡気候感度(ECS)は、瞬時に倍増した大気中の二酸化炭素濃度に応答して生じると予測される、全球の平均地上気温の長期的な変化である。ECSは本質的に人工的な指標であるが、それにもかかわらず気候モデルを比較する際の重要な手段であり、政策的な議論において重要である。最小と最大の気温変動予測に対する現実の気候システムの応答は、根本的に異なる政策オプションにつながるため、ECSの見積もりの範囲は一見すると扱いが困難で、政策の策定が複雑化する。今回P Coxたちは、観測される気候変動をシミュレートできることを利用して、気候モデルを絞り込み、ECSの中央推定値が2.8°Cで現行の見積もりの中央から下端にあり、その範囲は2.2~3.4°Cであると結論付けている。重要なのは、今回の手法によって、4.5°Cを上回るか1.5°Cを下回るECSの見積もりがほぼ除外されることである。
2018年1月18日号の Nature ハイライト
微生物学:腸の流行性感染症の出現
天文学:星形成の「鍋」をかき混ぜる
ナノスケール材料:複数の刺激に対して応答する材料
気候科学:長期的な地球温暖化の見積もりを絞り込む
地球化学:深海の酸素
植物科学:細胞表面の相互作用のネットワーク
がん:高感受性の皮膚がん
がん:REV-ERBで抑制される腫瘍
細胞生物学:ノンストップコドン
構造生物学:O抗原多糖輸送体の構造