Nature ハイライト
量子物理学:強い状態を保つスピン–光子結合
Nature 560, 7717
電子スピンはコヒーレンス時間が長いため量子計算に有望なリソースであるが、スピン–スピン相互作用は依然として難しい課題となっている。コヒーレントなスピン–光子相互作用が実現可能ならば、強いスピン–光子結合を実現することによって、マイクロ波光子を介してスピンを長距離エンタングルメントさせることができる可能性がある。今回A Landigたちは、ガリウムヒ素3重量子ドットにおける3電子スピンキュービット(共鳴交換キュービットと呼ばれる)とマイクロ波共振器の単一光子との間のコヒーレントな結合を実証している。この分野の他の取り組みとは異なり、今回の実装は、強磁性導線や微小磁石などの補助的手段に頼っていないので、スピンを用いた量子プロセッサーへの有益な代替手法を探るものである。
2018年8月9日号の Nature ハイライト
量子物理学:強い状態を保つスピン–光子結合
寄生虫学:内臓リーシュマニア症の新しい治療選択肢
免疫学:NLRP3インフラマソームの活性化はミトコンドリアDNA合成に依存する
材料科学:グラフェンナノリボンを用いたトポロジー制御
地球化学:キセノン同位体によって明らかになったマントルへの揮発性物質循環の歴史
進化学:頭蓋プラコードと神経堤は共通の進化的起源を持つ
生態学:全球の土壌マイクロバイオーム
免疫学:ミトコンドリアRNAの自己認識
遺伝学:狙った標的を改変するEvolvR
細胞生物学:作用中のダイナミン
分子生物学:哺乳類ミトコンドリアでの翻訳開始機構についての手掛かり