Nature ハイライト

細胞生物学:作用中のダイナミン

Nature 560, 7717

大型GTPアーゼのダイナミンファミリーは、分割される膜部位の周りに集まって輪状のポリマーを形成し、これを引き絞って生じた細い「首」の部分を切断することで膜の分裂を引き起こす。今回、ヌクレオチドが結合した状態のヒトのダイナミン1の、3.8 Å分解能でのクライオ(極低温)電子顕微鏡構造が得られ、エンドサイトーシスの際に起こる膜の分裂過程の分子レベルの詳細が示された。J Hinshawたちは、膜に付着したダイナミンポリマーの構造を報告しており、これによってダイナミンがそのプレクストリン相同ドメインを介して脂質二重層に結合し、GTPアーゼドメインを介して自己集合することが、新たに明らかになった。このような結合や集合はBSE(bundle signalling element)領域によって助けられていて、BSEはGTPアーゼドメインをダイナミンの他の部分と結び付けている。今回得られたデータからは、膜を引き絞る原動力となっていると思われるダイナミンのコンホメーション変化も示された。

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