Nature ハイライト
細胞生物学:作用中のダイナミン
Nature 560, 7717
大型GTPアーゼのダイナミンファミリーは、分割される膜部位の周りに集まって輪状のポリマーを形成し、これを引き絞って生じた細い「首」の部分を切断することで膜の分裂を引き起こす。今回、ヌクレオチドが結合した状態のヒトのダイナミン1の、3.8 Å分解能でのクライオ(極低温)電子顕微鏡構造が得られ、エンドサイトーシスの際に起こる膜の分裂過程の分子レベルの詳細が示された。J Hinshawたちは、膜に付着したダイナミンポリマーの構造を報告しており、これによってダイナミンがそのプレクストリン相同ドメインを介して脂質二重層に結合し、GTPアーゼドメインを介して自己集合することが、新たに明らかになった。このような結合や集合はBSE(bundle signalling element)領域によって助けられていて、BSEはGTPアーゼドメインをダイナミンの他の部分と結び付けている。今回得られたデータからは、膜を引き絞る原動力となっていると思われるダイナミンのコンホメーション変化も示された。
2018年8月9日号の Nature ハイライト
量子物理学:強い状態を保つスピン–光子結合
寄生虫学:内臓リーシュマニア症の新しい治療選択肢
免疫学:NLRP3インフラマソームの活性化はミトコンドリアDNA合成に依存する
材料科学:グラフェンナノリボンを用いたトポロジー制御
地球化学:キセノン同位体によって明らかになったマントルへの揮発性物質循環の歴史
進化学:頭蓋プラコードと神経堤は共通の進化的起源を持つ
生態学:全球の土壌マイクロバイオーム
免疫学:ミトコンドリアRNAの自己認識
遺伝学:狙った標的を改変するEvolvR
細胞生物学:作用中のダイナミン
分子生物学:哺乳類ミトコンドリアでの翻訳開始機構についての手掛かり