Nature ハイライト
生態学:全球の土壌マイクロバイオーム
Nature 560, 7717
土壌には微生物が非常に豊富に存在しており、これらの微生物は栄養塩類の循環および炭素貯蔵における土壌の機能に不可欠である。どの微生物がどこに存在し、生物的および非生物的な要因がそれらの分布および相対優占度にどのように影響しているのかを全球的にマッピングすることは、土壌の機能に関する我々の理解に有用な情報をもたらす。今回、世界各地の189地点から収集した表土サンプル(7560サブサンプル)について、メタゲノム解析、化学分析およびバイオマス分析を行った結果が報告されている。細菌と菌類の両方の群集に関するこの研究成果は、土壌生態学を理解しようとする今後の研究にとって貴重な資源となるだけではなく、土壌の微生物構成には地理よりも環境の方がより大きな役割を果たしていること、 細菌の遺伝的多様性は温帯環境で最も高いが菌類ではそうではないこと、そして抗生物質耐性遺伝子から推測されるように表土と海洋環境の両方において菌類と細菌が全球的なニッチ分化および強い対立関係を示すことも明らかにしている。
2018年8月9日号の Nature ハイライト
量子物理学:強い状態を保つスピン–光子結合
寄生虫学:内臓リーシュマニア症の新しい治療選択肢
免疫学:NLRP3インフラマソームの活性化はミトコンドリアDNA合成に依存する
材料科学:グラフェンナノリボンを用いたトポロジー制御
地球化学:キセノン同位体によって明らかになったマントルへの揮発性物質循環の歴史
進化学:頭蓋プラコードと神経堤は共通の進化的起源を持つ
生態学:全球の土壌マイクロバイオーム
免疫学:ミトコンドリアRNAの自己認識
遺伝学:狙った標的を改変するEvolvR
細胞生物学:作用中のダイナミン
分子生物学:哺乳類ミトコンドリアでの翻訳開始機構についての手掛かり