Nature ハイライト
進化学:頭蓋プラコードと神経堤は共通の進化的起源を持つ
Nature 560, 7717
脊椎動物の特徴の1つは、神経堤と呼ばれる胚性組織の存在である。しかし、神経堤がある部位には頭蓋プラコードも存在しており、プラコードと神経堤のどちらが先に生じたのかを知ることは難しい。尾索動物(被嚢類)の胚性神経組織は両方の特性を持つことが知られており、M Levineたちは今回、尾索動物のカタユウレイボヤ(Ciona intestinalis)の幼生で神経板境界領域の発生を遺伝学的に解析し、神経板境界部全体が、拡張された原始的プラコードの特性を持つことを示している。彼らはプラコードが神経堤の進化に先行していたと結論し、ホヤの神経板の区画化に用いられる遺伝子ネットワークが、脊椎動物の頭蓋プラコードと神経堤を区別する基盤となっていると示唆している。
2018年8月9日号の Nature ハイライト
量子物理学:強い状態を保つスピン–光子結合
寄生虫学:内臓リーシュマニア症の新しい治療選択肢
免疫学:NLRP3インフラマソームの活性化はミトコンドリアDNA合成に依存する
材料科学:グラフェンナノリボンを用いたトポロジー制御
地球化学:キセノン同位体によって明らかになったマントルへの揮発性物質循環の歴史
進化学:頭蓋プラコードと神経堤は共通の進化的起源を持つ
生態学:全球の土壌マイクロバイオーム
免疫学:ミトコンドリアRNAの自己認識
遺伝学:狙った標的を改変するEvolvR
細胞生物学:作用中のダイナミン
分子生物学:哺乳類ミトコンドリアでの翻訳開始機構についての手掛かり