Nature ハイライト
物性物理学:量子ホール物質のトポロジカル不変量測定
Nature 565, 7738
物質における運動量空間トポロジーの存在は、電子バンドに関する非ゼロのチャーン数によって示され、意外で有用な物質特性を生みだしている。チャーン数は、バルクの抽象的特性として理解されているが、エッジ効果に基づく測定によって推定されることが多い。今回N Schineたちは、整数量子ホール物質に似たフォトニック系において、チャーン数の別の実験的定式化を探り、バルクの局所的応答を調べている。今回の測定結果は、さらに2つのトポロジカル自由度が存在し、理論的にエキゾチック特性に関連付けられる1つのトポロジカル不変量が、これらの自由度のそれぞれの指標となることを示している。今回の研究結果によって、相互作用する分数量子ホール状態の研究が自然と発展する可能性がある。
2019年1月10日号の Nature ハイライト
物性物理学:量子ホール物質のトポロジカル不変量測定
代謝:熱産生に糖代謝を利用するベージュ脂肪
計算生化学:治療用タンパク質をde novoに設計する方法の改良
恒星進化:白色矮星のコアの結晶化
系外惑星:回転軸の傾きがそろっていない原始惑星系円盤
地球科学:音波速度測定によって明らかになった下部マントルの玄武岩質地殻
古気候学:ゆりかごを揺らす気候
微生物遺伝学:イエメンでのコレラのエピデミックを追跡する
免疫療法:グリオブラストーマ患者での臨床試験におけるネオアンチゲンワクチンの応答
免疫療法:グリオブラストーマ患者のための個別化ワクチン
神経免疫学:脳卒中からの回復における制御性T細胞の役割