Nature ハイライト
分子生物学:アクチンのメチル化機構の解明
Nature 565, 7739
アクチンでは保存されたヒスチジン残基がメチル化されることが知られている。しかし、この修飾を担う酵素や、この修飾がどのような調節機能を持つのかは分かっていない。O Gozaniたちは今回、SETドメインタンパク質のSETD3がアクチンの生理的なヒスチジンメチルトランスフェラーゼであり、後生動物のヒスチジンメチルトランスフェラーゼの最初の例であることを見いだした。アクチンの73番目のヒスチジンのメチル化はアクチンフィラメントの組み立てを中程度に促進することが分かった。SETD3の喪失により、刺激誘発性の平滑筋収縮が障害され、また、SETD3欠損雌マウスは子宮収縮異常のため一腹産仔数が減少した。
2019年1月17日号の Nature ハイライト
構造材料:結晶に学んだ骨格構造体の高強度化
進化遺伝学:正常な食道組織におけるがん変異
構造生物学:HIVが共受容体と結合する過程を可視化する
天文学:GRB 171205A/SN 2017iukにおけるジェットのコクーン
物性物理学:ワイル軌道に沿った量子化ホール伝導率
物性物理学:ベリー曲率双極子による非線形ホール効果
発生生物学:ヤツメウナギの耳の中
神経科学:閉ループの電気的な神経調節
分子生物学:アクチンのメチル化機構の解明
構造生物学:RNAポリメラーゼの構造が示すプロモーター融解