Nature ハイライト
宿主–微生物相互作用:有益なアレルゲン
Nature 565, 7741
さまざまな植物から分泌されるkiwellinタンパク質ファミリーは、キウイフルーツの主要アレルゲンであるなど、ヒトでアレルギーを引き起こすこと以外の働きは知られていなかった。G Bangeたちは今回、これらのタンパク質が植物の免疫において有益な役割も担っていることを報告している。トウモロコシの黒穂病は、クロボキン類のUstilago maydisによって引き起こされる。この病原体が宿主内で分泌する多数のエフェクターの1つにコリスミ酸ムターゼがあり、これは植物の免疫ホルモンであるサリチル酸の合成を減弱させる酵素である。著者たちは、トウモロコシが、20種類のkiwellinタンパク質の1つを使って、この攻撃に拮抗することを明らかにした。構造解析の結果から、このkiwellinは、コリスミ酸ムターゼの活性部位に基質が近づくのを妨げることにより、この酵素の触媒活性を阻害すると示された。
2019年1月31日号の Nature ハイライト
プラズマ物理学:レーザー核融合実験の統計的手法
大気化学:大気中の二次有機エアロゾルを減らすように働くイソプレン
古人類学:デニソワ洞窟の中で
免疫療法:CD8 T細胞応答を促進する腸内共生細菌
分子生物学:酵母の切り出されたイントロンがTOR増殖シグナル伝達を調節する
分子生物学:出芽酵母のイントロンは飢餓における細胞生存を調節する
材料科学:スピンホール効果の磁気的反転
宿主–微生物相互作用:有益なアレルゲン