Nature ハイライト
物性物理学:トポロジカル物質のカタログ
Nature 566, 7745
物理学と対称性には深いつながりがあるが、この20年間でトポロジーとの強い関係性が明らかになっている。物質の電子構造はさまざまなトポロジカルクラスに属する可能性があり、非自明なトポロジーを持つ物質は、物質の内部は絶縁性でも表面は導電性であるといったロバストな非従来型の特性を特徴とすることが多いことが、今では分かっている。トポロジカル絶縁体が実験的に発見されて以来、トポロジカルであることが明らかになった物質の数は着実に増えているものの、まだ比較的少ない。しかし、C Fangたち、Z Wangたち、A Vishwanathたちの3つの研究チームは今回、トポロジカル量子化学に基づくアルゴリズムを開発することによって、結晶データベースを検索し、トポロジカル物質の数を大幅に拡大して、数千種のトポロジカル物質候補を特定した。非自明なトポロジーを持つ新たに発見されたこれらの候補物質によって、電子デバイスにトポロジカル物質を利用する幅広い可能性が開かれ、トポロジーが結晶データベースの一部となることは確実である。
2019年2月28日号の Nature ハイライト
物性物理学:トポロジカル物質のカタログ
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