Nature ハイライト

物性物理学:「弱い」トポロジカル絶縁体

Nature 566, 7745

現在、物質のさまざまなトポロジカル特性の分類と実験的検証が試みられており、そのよく知られている例がワイル半金属とトポロジカル絶縁体である。三次元トポロジカル絶縁体は、表面状態の性質によって「弱い」トポロジカル絶縁体か「強い」トポロジカル絶縁体に分類できる。今回、近藤猛(東京大学)たちは、角度分解光電子分光法を用いて、ビスマスヨウ化物β-Bi4I4の異なる結晶表面(上面と側面)において表面状態の特性を評価している。そして、こうした結晶表面に依存する測定結果から、これまで理論的にしか予測されていなかった「弱い」トポロジカル絶縁体状態の実験的証拠が得られた。このトポロジカル相は、量子スピンホール絶縁体の三次元版と見なすことができ、将来、スピントロニクス技術に応用できる可能性がある。

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