Research Press Release
火星のメタン検出に対する独立した確証
Nature Geoscience
2019年4月2日
欧州宇宙機関(ESA)の火星探査機「マーズ・エクスプレス」が2013年6月16日に、火星のゲールクレーター近傍でメタンを検出していたことを報告する論文が、今週掲載される。この発見は、それより1日早く米国航空宇宙局(NASA)の火星探査ローバー「キュリオシティー」が得た論争のある測定結果に対して独立した確証を与える。
メタンは火星大気中に10年以上前に発見され、微生物によって生物学的に、あるいは地球化学的反応によって非生物学的に生成されたと考えられている。しかし、メタンの生成機構と既存の検出法の信頼性は、活発な論争の的となってきた。
Marco Giurannaたちは今回、ゲールクレーター近傍における火星大気中のメタンをマーズエクスプレスに搭載された分光器で観測した結果を示した。この結果は、キュリオシティーで得られた測定結果とは独立した確証である。数値モデル化と地質学的分析を用いたメタンの潜在的な生成源の調査から、検出されたメタンは、ゲールクレーター近傍の断層地域における一時的な事象によって火星大気中に放出されたと考えられた。この位置の特定によって、この場所が今後の火星のメタンの起源の調査の中心となる可能性がある。
doi:10.1038/s41561-019-0331-9
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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