Volume 436 Number 7047

Editorials

二期目に入って半年の米ブッシュ政権だが、党利党略偏重の姿勢に科学界との溝が広がっている。

Climate of distrust p.1

doi: 10.1038/436001a

実施規約にサインしないと生物学の実験を行えなくなる日は近いかもしれない。

Rules of engagement p.2

doi: 10.1038/436002a

胚という語の使用を避けることで幹細胞研究への反感を弱めようとするのは、適切な方法とは言えない。

Playing the name game p.2

doi: 10.1038/436002b

News

WHOが鳥インフルエンザの警戒レベルの引き上げを見送り。

Flu officials pull back from raising global alert level p.6

doi: 10.1038/436006a

幹細胞研究を取りまく環境に明るい見通し。

Stem-cell NULLheroesNULL celebrate a series of breakthroughs p.9

doi: 10.1038/436009a

米国が、宇宙でのロシアからの協力に代価を支払えるよう、法的制約を緩和へ。

US willing to pay for RussiaNULLs help in space p.11

doi: 10.1038/436011a

News Features

保全生物学:種を救う道はある?

Is this any way to save a species? p.14

有力な米上院議員の力で、危機に瀕したアラスカのトドの保護研究に1億2千万ドルを超える援助が行われた。

doi: 10.1038/436014a

神経科学:思考の奥深く

Deep in thought p.18

脳への電極埋め込み手術が、強迫観念の軽減など、精神病の治療に有効かもしれない。

doi: 10.1038/436018a

電子ノート:新しいノートで心機一転

A new leaf p.20

なじみ深い実験ノートに代わる電子ノートのプラス面とマイナス面を検討する。

doi: 10.1038/436020a

News & Views

神経科学:ニコチン依存性の発祥地

A home for the nicotine habit p.31

ニコチンはきわめて依存性が高いが、認識にかかわる機能を改善することもある。これら2種類の作用の基盤となっている複雑な経路を解明しようという試みから、脳の1つの特定領域にある1種類の受容体が両方にかかわっているらしいとわかった。今週のハイライト参照。

doi: 10.1038/436031a

固体物理学:ドーピングできないものにドーピングする

Doping the undopable p.32

電子担体の数を増やす不純物は、ほとんどのバルク半導体に欠かせない。こうした外来原子の半導体への導入は微妙な作業で、材料表面に関する正確な知識が必要とされる。Letters, p.91 参照。

doi: 10.1038/436032a

癌の生物学:癌の泣きどころ?

The weakest link? p.33

細胞系譜は、細胞運命を指示しその細胞が確実に生存するように働くマスター調節タンパク質によって決定される。治療に抵抗性を示す腫瘍はこうした因子に依存しているが、この性質は腫瘍の「アキレスのかかと」であるかもしれない。今週のハイライト参照。

doi: 10.1038/436033a

保全生物学:ナメクジが安全に食事できそうなところ

Where slugs may safely graze p.35

草食の動物は草地を刈り取って有用な影響を及ぼす。新たに設置された草地で行われた実験の結果から、こうした草食動物の1つだがあまり問題にされていなかったナメクジが、植物の多様性に大きな、しかも有益な影響を与えていることが明らかになった。

doi: 10.1038/436035a

非線形力学:不安定性が意味をなすとき

50 and 100 years ago p.36

気象パターンや宇宙船の軌道の変化を記述するのに不安定性を使う数理モデルは十分確立されたものだ。こうした原理は、嗅覚やそのほかのニューロンの数学的性質にも応用可能だろうか。

doi: 10.1038/436036a

双子の探査車が行った火星の研究

p.42

双子の火星探査車、スピリットとオポチュニティは自身で広い範囲を移動するわけではないが、広範囲にわたる観察ができる。部分日食、高濃度の塩分を含む岩石や磁気をおびた塵に関する情報は、探査車が行った発見の最も新しいハイライトといえるだろう。

doi: 10.1038/fake134

宇宙:双子の探査車が行った火星の研究

Twin studies on Mars p.42

双子の火星探査車、スピリットとオポチュニティは自身で広い範囲を移動するわけではないが、広範囲にわたる観察ができる。部分日食、高濃度の塩分を含む岩石や磁気をおびた塵に関する情報は、探査車が行った発見の最も新しいハイライトといえるだろう。

doi: 10.1038/436042a

Articles

神経:網膜による動的な予測符号化

Dynamic predictive coding by the retina p.71

doi: 10.1038/nature03689

細胞:クラスリン依存的エンドサイトーシスとカベオラ/ラフト依存的エンドサイトーシスにおけるヒトキナーゼのゲノム全域での解析

Genome-wide analysis of human kinases in clathrin- and caveolae/raft-mediated endocytosis p.78

doi: 10.1038/nature03571

Letters

物理:1個の原子をトラップした光共振器における光子ブロッケード

Photon blockade in an optical cavity with one trapped atom p.87

doi: 10.1038/nature03804

地球:高圧下におけるケイ酸塩液相への希ガスとCO2溶解度におけるヘンリーの法則の破綻

Breaking of Henry's law for noble gas and CO2 solubility in silicate melt under pressure p.95

doi: 10.1038/nature03636

生態:鳥類の個体群動態の世代時間と時間的スケーリング

Generation time and temporal scaling of bird population dynamics p.99

doi: 10.1038/nature03666

神経:ニコチン受容体の部位限定的発現によって回復するニコチン強化と認知

Nicotine reinforcement and cognition restored by targeted expression of nicotinic receptors p.103

doi: 10.1038/nature03694

神経:ATPは中枢神経系における化学的感覚情報伝達のメディエーターである

ATP is a mediator of chemosensory transduction in the central nervous system p.108

doi: 10.1038/nature03690

医学:アンジオテンシン変換酵素2は重度の急性肺傷害を阻止する

Angiotensin-converting enzyme 2 protects from severe acute lung failure p.112

doi: 10.1038/nature03712

癌:MITFが悪性黒色腫で増幅されているlineage survival癌遺伝子であることの統合的ゲノム解析による確認

Integrative genomic analyses identify MITF as a lineage survival oncogene amplified in malignant melanoma p.117

doi: 10.1038/nature03664

細胞:MMP-3が誘導するEMTとゲノム不安定性には、Rac1bと活性酸素種が関係する

Rac1b and reactive oxygen species mediate MMP-3-induced EMT and genomic instability p.123

doi: 10.1038/nature03688

細胞:キナーゼが調節するカベオラの素量的集合とキス・アンド・ラン様式の回収

Kinase-regulated quantal assemblies and kiss-and-run recycling of caveolae p.128

doi: 10.1038/nature03866

生化学:光防護および光合成での集光調節の分子的基盤

Molecular basis of photoprotection and control of photosynthetic light-harvesting p.134

doi: 10.1038/nature03795

生化学:テトラヌクレオソームのX線構造と、それがクロマチン繊維に対してもつ意味

X-ray structure of a tetranucleosome and its implications for the chromatin fibre p.138

doi: 10.1038/nature03686

Review Articles

宇宙:火星探索車の着陸地点予測に関する評価

Assessment of Mars Exploration Rover landing site predictions p.44

doi: 10.1038/nature03600

宇宙:火星土壌の化学的および鉱物学的組成に関する統一的見解

An integrated view of the chemistry and mineralogy of martian soils p.49

doi: 10.1038/nature03637

宇宙:火星表面から観測されたフォボスとデイモスによる日食

Solar eclipses of Phobos and Deimos observed from the surface of Mars p.55

doi: 10.1038/nature03437

気候:メリディアニ平原における火星探査車着陸地点の風送過程

Aeolian processes at the Mars Exploration Rover Meridiani Planum landing site p.58

doi: 10.1038/nature03641

宇宙:大気塵の化学的、鉱物学的性質が示す火星の乾期

Indication of drier periods on Mars from the chemistry and mineralogy of atmospheric dust p.62

doi: 10.1038/nature03807

宇宙:グセフクレーター内の火星探査車スピリット着陸地点の岩石および土壌が受けた水成変成

Water alteration of rocks and soils on Mars at the Spirit rover site in Gusev crater p.66

doi: 10.1038/nature03640

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