Nature ハイライト 神経:網膜が脳に伝えないこと 2005年7月7日 Nature 436, 7047 眼の網膜の主な働きは、画像を神経信号に変換し、視神経経由でその信号を脳に伝えることである。M Meisterたちは新たな研究で、脳の皮質でのみ生じるとこれまで考えられていたある種の「適応的符号化」が網膜でも起こりうると報告している。 電極を使ってサンショウウオとウサギの網膜から得た記録から、網膜の神経節細胞が画像の予測可能な特徴を抑制しているらしいことがわかった。例えば、垂直方向の特徴が大勢を占める環境では、網膜は水平方向のシグナルに対して有意に高い感受性を示す。著者たちは、予測されない性質に対する網膜の感受性は、視覚情報処理を最適化するための適応的特性であると論じている。 2005年7月7日号の Nature ハイライト 宇宙:火星の乾いた塵 神経:タバコの脳への活性化刺激と嗜癖は結びついている 癌:黒色腫細胞で増幅されている遺伝子 神経:網膜が脳に伝えないこと 物理:光子にも赤信号 : 目次へ戻る