Volume 445 Number 7128

Editorials

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書によって、地球温暖化対策が必要との世界的な合意はできたが、対策を具体化する困難は予想以上に大きい。

p.567

doi: 10.1038/445567a

NIHの予算増が認められたのは、科学者たちの積極的な働きかけも大きな要因だ。

p.568

doi: 10.1038/445568a

頭脳流出した科学者の帰国促進を図るイタリアとスペインの支援策には、大学の協力も必要だ。

p.568

doi: 10.1038/445568b

News

科学予算の配分をめぐって、米ブッシュ政権と議会が激しく対立。

p.572

doi: 10.1038/445572a

アフリカ連合が、科学分野での協力体制づくりに向けて前進。

p.576

doi: 10.1038/445576a

気候変動の影響を受ける地域や影響の具体的な程度など、不確実な点も多数。

p.580

doi: 10.1038/445580a

気候変動に懐疑的な人々が、科学から経済へと論点を切り替え。

p.582

doi: 10.1038/445582a

News Features

未来を見据えるメーター

p.586

エネルギー効率の改善は二酸化炭素の排出削減のための地味だが効果的な方法であり、配電システムの改良が役立つ可能性がある。

doi: 10.1038/445586a

効率よく実験

p.590

研究室でできるエネルギー節約方法を考える。

doi: 10.1038/445590a

News & Views

量子物理学:遠くからは見分けられない

p.605

コヒーレントな光パルスを原子のスピン上に書き込むという「魔法」は、量子物理学では一般的な手法である。この同じ光パルスを2番目の離れた原子セットから回収するとなると、もう「妖術」の域のように思われるが、これもまた量子力学では可能なのだ。

doi: 10.1038/445605a

腫瘍生物学:消されても忘れ去られはしない

p.606

がん抑制タンパク質であるp53は、細胞をがんから守る主要な守護神である。ほとんどのがんではp53が失われているが、p53経路は無傷のまま残っているらしく、p53の復活はがんの治療法につながる可能性がある。

doi: 10.1038/nature05567

古気候:世界が寒くなったとき

p.607

新生代に起こった最初の大規模氷河期の際には、南極で巨大な氷床が成長するにつれて、北方の大陸の寒冷化と乾燥が起こった。これらの現象が起こったタイミングが一致していることから、原因は局地的なものでなく、全球的なものであると考えられる。

doi: 10.1038/445607a

構造生物学:作動中の分子機械

p.609

核磁気共鳴法はタンパク質内部の動きを調べる最良の手段であるが、小規模な系しか扱えないとされていた。こういう制限が克服され、大型のタンパク質複合体の動態が明らかになった。

doi: 10.1038/nature05566

進化生物学:薄い空気からの脱出

p.610

酸素発生型光合成の出現は、細菌にとっては大した進歩ではなかったが、生物学と地質化学においては急激な変化だった。では、細胞はいつ、どのようにして水を分解して気体酸素を作り始めたのだろう。

doi: 10.1038/445610a

Articles

発生:頭索類の体軸パターン形成と形成体の進化

Axial patterning in cephalochordates and the evolution of the organizer p.613

doi: 10.1038/nature05472

生化学:NMRによる20Sプロテアソームの定量的動態解析と結合の研究

Quantitative dynamics and binding studies of the 20S proteasome by NMR p.618

doi: 10.1038/nature05512

Letters

物理:物質波の力学を用いた光情報のコヒーレントな制御

Coherent control of optical information with matter wave dynamics p.623

doi: 10.1038/nature05493

工学:フェムト秒レーザー周波数コムの分解モードを用いた分子フィンガープリンティング

Molecular fingerprinting with the resolved modes of a femtosecond laser frequency comb p.627

doi: 10.1038/nature05524

物性:コバルト酸ナトリウムにおけるナトリウムイオンのパターニングおよび電子の制御

Patterning of sodium ions and the control of electrons in sodium cobaltate p.631

doi: 10.1038/nature05531

気候:始新世から漸新世への遷移期における地球の寒冷化と結びついたチベット高原の乾燥化

Tibetan plateau aridification linked to global cooling at the Eocene-Oligocene transition p.635

doi: 10.1038/nature05516

気候:北アメリカ中部で始新世から漸新世への遷移期に起きた気温の大きな低下

Large temperature drop across the Eocene-Oligocene transition in central North America p.639

doi: 10.1038/nature05551

神経:パーキンソン病モデルにおける線条体LTDと運動障害の内在性カンナビノイドによる回復

Endocannabinoid-mediated rescue of striatal LTD and motor deficits in Parkinson's disease models p.643

doi: 10.1038/nature05506

免疫:TH17サイトカインであるインターロイキン-22はIL-23によって引き起こされる皮膚の炎症やアカントーシスを仲介する

Interleukin-22, a TH17 cytokine, mediates IL-23-induced dermal inflammation and acanthosis p.648

doi: 10.1038/nature05505

植物:サイトカイニン活性化酵素による茎頂分裂組織活性の直接的制御

Direct control of shoot meristem activity by a cytokinin-activating enzyme p.652

doi: 10.1038/nature05504

腫瘍:マウスの肝がんでp53を回復させると老化と腫瘍排除が起こる

Senescence and tumour clearance is triggered by p53 restoration in murine liver carcinomas p.656

doi: 10.1038/nature05529

腫瘍:p53の機能回復はin vivoで腫瘍の退縮を惹起する

Restoration of p53 function leads to tumour regression in vivo p.661

doi: 10.1038/nature05541

細胞:非コード干渉性転写産物によるヒトジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子の抑制

Repression of the human dihydrofolate reductase gene by a non-coding interfering transcript p.666

doi: 10.1038/nature05519

細胞:Gadd45aは修復を介したDNA脱メチル化によってエピジェネティックな遺伝子活性化を促進する

Gadd45a promotes epigenetic gene activation by repair-mediated DNA demethylation p.671

doi: 10.1038/nature05515

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