Nature ハイライト 発生:形成体の起源をたどる 2007年2月8日 Nature 445, 7128 脊椎動物の胚における原腸胚期の形成体(オーガナイザー)は、成体の主要な体軸を配置するためのシグナル伝達センターである。原腸胚形成には脊椎動物間でかなりの相異があり、また広範囲な組織の移動が起こるため、原腸胚の形成体の起源ははっきりしていない。対照的に、脊椎動物から遠縁の脊索動物であるナメクジウオの胚はかなり単純で、原腸胚期の組織の移動は最小限である。今回、ナメクジウオ(Branchiostoma)の胚の研究で、脊椎動物の形成体と体軸パターン形成にかかわる遺伝子群と相同な遺伝子群が見つかり、これらが原腸形成期に脊椎動物とよく似たパターンで発現していることが明らかになった。このことは、脊椎動物における形成体が進化的に古い起源をもつことを示している。 2007年2月8日号の Nature ハイライト 気候:温暖化についてのホットな報告 発生:形成体の起源をたどる 構造生物学:対象が拡大したNMR分光法 物性:ナトリウムイオンで制御する? 気候:地球規模の気候変化 神経:内在性カンナビノイドをねらえ 植物:植物ホルモン活性化の新しい仕組み 医学:p53と腫瘍の退縮 細胞:DNAメチル化の解消 目次へ戻る