広くみられる調節機構の1つであるDNAメチル化は、「能動的脱メチル化」とよばれる過程によって解消されることが次第にわかってきているが、脱メチル化の基盤となる機構のほうはほとんどわかっていない。DNA脱メチル化研究の進展を阻んでいるのはカギとなる調節因子がわかっていないことで、これがわかればDNA脱メチル化過程解明の足がかりとなるだろう。今回Barretoたちが、このような調節因子の1つであるGadd45a(growth arrest and DNA-damage-inducible protein 45-alpha)を発見した。Gadd45aは、がん抑制遺伝子p53とBRCA1の標的であることが以前に明らかにされており、DNA修復を促進するという方法でメチル化標識を外し、遺伝子のサイレンシングを解除する働きをしていることがわかった。