Volume 456 Number 7219

Editorials

金融危機を差し迫った難局とだけ考えずに、持続的な経済成長に必要な科学と技術革新の基盤を固める機会ととらえるべきだ。

p.141

doi: 10.1038/456141a

米国のバイオ企業が研究者の論文について名誉毀損で訴えているが、このような事例で科学者が萎縮するようなことは、あってはならない。

p.142

doi: 10.1038/456142b

イタリア政府は改革を先送りせず、大学が責任をもって自由に教員を採用できるようにすべきだ。

p.142

doi: 10.1038/456142a

News

米オバマ次期大統領の政権移行作業が始まり、エネルギー、環境問題を重要視する姿勢が。

p.146

doi: 10.1038/456146a

メキシコで、GMトウモロコシ由来の遺伝子が在来種に広まっていることが報告され、GM作物をめぐる議論が再燃。

p.149

doi: 10.1038/456149a

中国が、気候変動問題に積極的な姿勢を見せ、先進国に途上国への支援を要請。

p.151

doi: 10.1038/456151a

SPECIAL REPORT 株価暴落に見舞われる中で 世界的な景気後退で研究事業を取り巻く状況は厳しいが、科学研究のもつ力が難局を乗り切る助けになる可能性もある。

p.155

doi: 10.1038/456155a

News Features

アルツハイマー病:プラーク対策のプラン

p.161

アルツハイマー病の原因は明白だと考えられているが、その理論からはいまだに効果的な薬が生まれていない。

doi: 10.1038/456161a

News & Views

神経科学:光は神経系の形成に影響する

Light moulds plastic brains p.177

オタマジャクシは光に照らされると、神経伝達物質であるドーパミンを発現するニューロンの数が増加する。動物は、こうした可塑性によって、脳の活動を環境刺激に適合させることができる。

doi: 10.1038/456177a

分析化学:CDプレーヤーを使っておうちで診断

p.178

健康診断の結果を待って、咳やくしゃみをしている患者に混じって病院の待合室で座っているのに、うんざりしたことはないだろうか。最新の技術を使えば、自分の家でCDプレーヤーを使って生化学検査をすることが、将来可能になるかもしれない。

doi: 10.1038/456178a

海洋生物学:珪藻のゲノム解読

p.179

珪藻について2番目の種のゲノムが解読され、珪藻類の進化や代謝能について、また遺伝子獲得と多様化の仕組みについても、たくさんの手がかりが得られた。

doi: 10.1038/456179a

量子物理学:単一スピンの速やかな制御

p.182

今のところ、量子情報処理システムは夢物語の域を出ていない。しかし、電子スピンを操作する新しい有望な方法など、この目標に向かって技術は着実に進歩し続けている。

doi: 10.1038/456182a

イオンチャネル:電位センサーのカルテット

p.183

電位依存性ナトリウムチャネルの働きの解明は極めて重要だ。なぜなら、チャネルの変異は重篤な疾患につながり、その活性は毒素や薬剤によって調節されるからである。今回、革新的な手法によって解明への道が開かれた。

doi: 10.1038/456183a

顕微鏡法:作用中の触媒を観察する

p.185

固体触媒は多くの工業的化学反応を加速し、目的の産物が作られるように反応を誘導する。顕微鏡技術の1つによって、触媒が作用中に起こす組成の変化が明らかになりそうだ。

doi: 10.1038/456185a

生化学:柔軟なペプチド組み立て

p.186

「何でも屋には秀でた芸がない」とよく言われる。しかし、専門化しないタンパク質が見つかり、複数の機能をもつことがその生合成のレパートリーに柔軟性を与えていることがわかった。

doi: 10.1038/456186a

神経科学:クールな歌

p.187

さえずりをする鳥の脳の特定のニューロン群を冷却してやると、さえずりの速度が遅くなるが、その他の音響的性質は変化しないことがわかった。この巧妙な手法は、他の複雑な行動の神経支配を解明するのに使えるかもしれない。

doi: 10.1038/456187a

Articles

神経:鳴禽運動経路の時間的動態を温度を使って解析する

Using temperature to analyse temporal dynamics in the songbird motor pathway p.189

doi: 10.1038/nature07448

神経:行動を制御するドーパミン作動性ニューロンの分化は光照射によって調節される

Illumination controls differentiation of dopamine neurons regulating behaviour p.195

doi: 10.1038/nature07569

生理:ナトリウムチャネルの電位センサーの機能と薬理学的性質の解明

Deconstructing voltage sensor function and pharmacology in sodium channels p.202

doi: 10.1038/nature07473

生化学:ガイド鎖を含むargonauteサイレンシング複合体の構造

Structure of the guide-strand-containing argonaute silencing complex p.209

doi: 10.1038/nature07315

Letters

宇宙:土星の赤外オーロラ内部の複雑な構造

Complex structure within Saturn's infrared aurora p.214

doi: 10.1038/nature07440

量子情報科学:超高速光パルスを使った単一量子ドットスピンの完全な量子制御

Complete quantum control of a single quantum dot spin using ultrafast optical pulses p.218

doi: 10.1038/nature07530

化学:作用中の触媒の走査型透過X線顕微鏡法によるナノスケール・ケミカルイメージング

Nanoscale chemical imaging of a working catalyst by scanning transmission X-ray microscopy p.222

doi: 10.1038/nature07516

気候:後期更新世の気候変動の過渡的な性質

Transient nature of late Pleistocene climate variability p.226

doi: 10.1038/nature07365

地球:地球の下部マントルにおける放射伝導率

Radiative conductivity in the Earth’s lower mantle p.231

doi: 10.1038/nature07412

生態:捕食と競争の相互作用

The interaction between predation and competition p.235

doi: 10.1038/nature07248

遺伝:Phaeodactylumのゲノムから明らかになった珪藻ゲノムの進化の歴史

The Phaeodactylum genome reveals the evolutionary history of diatom genomes p.239

doi: 10.1038/nature07410

幹細胞:寡能性幹細胞は哺乳類の眼表面全体に分布する

Oligopotent stem cells are distributed throughout the mammalian ocular surface p.250

doi: 10.1038/nature07406

聴覚:ステレオシリン欠損マウスによって明らかになった蝸牛における波形の歪みの由来

Stereocilin-deficient mice reveal the origin of cochlear waveform distortions p.255

doi: 10.1038/nature07380

生理:マウスおよびヒトの腸パネート細胞でオートファジーおよびオートファジー遺伝子Atg16l1が果たす重要な役割

A key role for autophagy and the autophagy gene Atg16l1 in mouse and human intestinal Paneth cells p.259

doi: 10.1038/nature07416

免疫:オートファジー関連因子Atg16L1の欠損はエンドトキシンによって誘導されるIL-1β産生を高める

Loss of the autophagy protein Atg16L1 enhances endotoxin-induced IL-1β production p.264

doi: 10.1038/nature07383

生理:飢餓による誘導可能なスイッチがアクチベーター/コアクチベーターの交換を介して糖新生を調節する

A fasting inducible switch modulates gluconeogenesis via activator/coactivator exchange p.269

doi: 10.1038/nature07349

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