Nature ハイライト

気候:気候システムは分岐点に近づいている?

Nature 456, 7219

過去300万年間は、気候状態が寒い氷期と暖かい間氷期という両極端の間を行ったり来たりするという、激しい変動の時代であった。このような変化は通常、地球軌道の小さな周期的変化や地球の二酸化炭素濃度の漸進的な減少に対する気候システムの非線形応答として解釈されている。T CrowleyとW Hydeは、このようにだんだん顕著になる変動は、軌道変動により駆動されているものの、分岐点に近づきつつある気候システムの過渡的なふるまいを示しているという、別の説を提案している。この分岐点で、気候が北半球中緯度地域の恒久的な氷河化という、新しい安定状態へと遷移するだろうというのだ。モデル実験では、このような遷移は地質学的に近い将来(1万〜10万年以内)に起こる可能性があるが、大気の二酸化炭素濃度が過去1万年間の値よりも低くなるという、あまりありそうもない状況においてのみ起こりうると予測されている。

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