Nature ハイライト

進化:珪藻の変化に富んだ歴史

Nature 456, 7219

珪藻は、海水や淡水にすむ微細な藻類の一種で、海洋の主要な生物であり、地球の一次生産能力の約5分の1を担っている。今回、珪藻としては2番目にあたる、Phaeodactylum tricornutumの完全ゲノム配列が解読された。最初に解読された珪藻Thalassiosira pseudonanaのゲノムとの比較により、珪藻遺伝子のうち数百個が細菌からの遺伝子移動によって獲得されたものであることが明らかになったが、あるいは逆の珪藻から細菌への移動という可能性もある。遺伝子移動は珪藻の進化の過程でよく起こったらしく、植物や動物の遺伝子も含めた、正統的でない組み合わせの遺伝子がみられ、これらが栄養素の処理や環境シグナルの伝達に重要な役割を果たしているらしい。

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