Nature ハイライト

量子情報科学:1個のスピンが光に捕らえられる

Nature 456, 7219

半導体ナノ構造内部に閉じ込められた1個の電子スピンは、デコヒーレンスに対して比較的安定であり、電気的あるいは光学的に容易に操作できるため、量子計算用の理想的なキュービットである。量子制御を、初期化、スピンの回転と検出を含めて完全に行うことは、電気制御した高周波パルスを使って以前に実証されたが、この方法は、実用的なクロック速度で動作する量子計算回路で使うにはあまりに遅すぎる。電子スピンの光操作ははるかに速い動作が可能で、光インターフェイスが使えるという利点もある。今週号でPressたちは、量子ドットの電子スピンを超高速で光制御し、光による初期化と検出と組み合わせて、2個の光パルス列を使った単一キュービット論理ゲート演算を実証している。このような高速演算によれば、ギガヘルツのクロック速度で動作する量子計算デバイスが得られる可能性がある。

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