Volume 466 Number 7302

Editorials

気候変動に関する疑念が広がりつつある今、社会の信頼を得るため、科学者は誠実に行動し、透明性を高める必要がある。

p.7

doi: 10.1038/466007a

幹細胞治療のもつ可能性を最大限に生かすためには、厳しい規制が必要だ。

p.7

doi: 10.1038/466007b

ブログなど、インターネットによる研究者のアウトリーチ活動を、積極的に進めるべきだ。

p.8

doi: 10.1038/466008a

News

メキシコ湾に生息する特徴的な生物種への、原油流出事故の影響は?

p.14

doi: 10.1038/466014a

イタリアでは、厳しい予算削減と改革に反対するストライキが大学を混乱に陥れる恐れが。

p.16

doi: 10.1038/466017a

小惑星探査機「はやぶさ」からは、イトカワの試料以外にも、数多くの貴重な収穫が。

Space capsule probed for asteroid dust p.16

doi: 10.1038/466016a

注目を集めたドイツの生殖系幹細胞の論文が、疑問と批判の的に。

p.17

doi: 10.1038/466018a

石炭火力発電から天然ガス発電への切り替えは、米国の低炭素社会化に貢献するとの論文が。

p.19

doi: 10.1038/466019a

Q&A 大学での医学研究の強化を重視する、フランス大統領の医学研究顧問Munnich氏に訊く。

p.20

doi: 10.1038/466020a

News Features

プロフィール:フィールド医療

The field medic p.22

へき地で野外活動を行う研究者は、急な病気やけがの際、十分な医療を受けられない。この状況を変えようとする医師がいる。

doi: 10.1038/466022a

気象科学:信用の低下

p.24

地球温暖化に対する懐疑的な風潮が広まりつつあり、多くの気象学者が懸念を抱いている。

doi: 10.1038/466024a

News & Views

原子物理学:X線レーザーで原子を裸にする

p.35

世界で初めてのキロ電子ボルト級X線レーザーは、原子を核だけにしてしまえるほどの光子放射が得られる。別の言い方をすれば、この光源は、原子の最も内側の電子殻中の2個の電子を、両方とも追い出せるのである。

doi: 10.1038/466035a

応用生態学:種のバランスで病害虫に仕返しする

p.36

有機農法はより高い生物多様性を維持する。ジャガイモの大害虫であるコロラドハムシについての研究で、このような多様性の増大がよりよい生態系サービス、つまり効果の高い病害虫制御につながることがわかった。

doi: 10.1038/466036a

宇宙物理学:超新星の表の顔と裏の顔

The supernova has two faces p.37

星の死の様式は、我々が考えていたよりも種類が少ないようだ。新しいデータと既存データとをまとめたところ、以前には別のものだと考えられていた超新星のサブタイプが、実際にはいびつなコインの裏と表を見ていたことに相当するのがわかったのである。

doi: 10.1038/466037a

オートファジー:ネットワークの一端を見る

p.38

オートファジーは、タンパク質や細胞小器官の品質管理に不可欠の細胞過程である。ヒトのオートファジー装置と相互作用するタンパク質の解析から、この経路がどのような分子から構成されているのか、その概要が明らかになった。

doi: 10.1038/466038a

がん幹細胞:第二ラウンドへの招待

p.40

腫瘍細胞は均一ではない。そこで、特定の細胞集団が腫瘍増殖を駆動して、さまざまな種類の細胞を作り出しているかどうかが問題となっている。この問題に答えるためは、データを慎重に解析する必要がある。

doi: 10.1038/466040a

太古の生命:多細胞性の起源

p.41

非常に古い時代の化石の解釈は、とりわけ難しい仕事である。ガボンで見つかった21億年前の構造体が大きな群体を作っていた生物であるという結論は、古生物学分野で話題となりそうだ。

doi: 10.1038/466041a

創薬:タンパク質の抱擁から引きはがす

p.42

小型の分子がタンパク質にどの程度強力に結合するかを予想するのは難しい。だが、これはコンピューター支援創薬の重要な達成目標である。新しい手法では、タンパク質の活性部位からの分子の強制的な除去をモデル化している。

doi: 10.1038/466042a

統計物理学:逃げるものを追って閉じ込める

p.43

単純なモデルによって、グループ内での追跡者の成功の可否(ということは逃亡者の成功の可否もだが)はっきり示された。このモデルは、餌となる動物の数に対して、最適な数の捕食者が存在すると捕獲の成功率が最大になることを明らかにしている。

doi: 10.1038/466043a

追悼:Richard Langton Gregory氏(1923〜2010年)

p.45

認知科学の研究者で、科学をわかりやすく説明することに優れていたGregory氏が亡くなられた。ご冥福を祈りたい。

doi: 10.1038/466045a

Articles

物理:超高強度X線に対する原子のフェムト秒電子応答

Femtosecond electronic response of atoms to ultra-intense X-rays p.56

doi: 10.1038/nature09177

生理:Brg1によるクロマチン制御は心筋の発生および疾患にかかわっている

Chromatin regulation by Brg1 underlies heart muscle development and disease p.62

doi: 10.1038/nature09130

細胞:ヒトのオートファジー系のネットワーク構成

Network organization of the human autophagy system p.68

doi: 10.1038/nature09204

遺伝:細菌における遺伝情報の流れの空間的組織化

Spatial organization of the flow of genetic information in bacteria p.77

doi: 10.1038/nature09152

Letters

宇宙:Ia型超新星におけるスペクトルの進化の多様性は非対称な爆発が原因である

An asymmetric explosion as the origin of spectral evolution diversity in type Ia supernovae p.82

doi: 10.1038/nature09122

物理:メゾスコピックな電気的反動に駆動される巨視的な機械共振器

A macroscopic mechanical resonator driven by mesoscopic electrical back-action p.86

doi: 10.1038/nature09123

物理:コロイド状ヘテロナノ構造体における光–物質–スピン相互作用の調整

Tailoring light–matter–spin interactions in colloidal hetero-nanostructures p.91

doi: 10.1038/nature09150

生態:高CO2濃度に対する生態系の応答は、窒素が誘導する植物種の変化によって制限される

Ecosystem response to elevated CO2 levels limited by nitrogen-induced plant species shift p.96

doi: 10.1038/nature09176

進化:21億年前の有酸素環境で協調的に増殖していた大型の群体型生物

Large colonial organisms with coordinated growth in oxygenated environments 2.1 Gyr ago p.100

doi: 10.1038/nature09166

進化:ペルーの中新世層で出土した新種の捕食性マッコウクジラ類化石の巨大な咬合部

The giant bite of a new raptorial sperm whale from the Miocene epoch of Peru p.105

doi: 10.1038/nature09067

生態:有機農業は、均衡度と自然な有害生物防除を促進する

Organic agriculture promotes evenness and natural pest control p.109

doi: 10.1038/nature09183

免疫:円形脱毛症の全ゲノム関連解析は自然免疫と獲得免疫両方の関与を示唆している

Genome-wide association study in alopecia areata implicates both innate and adaptive immunity p.113

doi: 10.1038/nature09114

生理:雄マウスのフェロモンESP1は、特異的な鋤鼻受容体を介して雌の性的受け入れ行動を増強する

The male mouse pheromone ESP1 enhances female sexual receptive behaviour through a specific vomeronasal receptor p.118

doi: 10.1038/nature09142

神経:in vivoでの脳の擾乱に対する感度は高ノイズと、皮質での発火率符号化を示唆している

Sensitivity to perturbations in vivo implies high noise and suggests rate coding in cortex p.123

doi: 10.1038/nature09086

発生:SHORTROOTによる細胞周期遺伝子の時間的空間的な制御がパターン形成と成長を結びつける

Spatiotemporal regulation of cell-cycle genes by SHORTROOT links patterning and growth p.128

doi: 10.1038/nature09143

細胞:ヒト黒色腫を発生させる細胞は神経堤神経成長因子受容体CD271を発現する

Human melanoma-initiating cells express neural crest nerve growth factor receptor CD271 p.133

doi: 10.1038/nature09161

細胞:SCFCyclin FはCP110の分解を通して、中心体のホメオスタシスと有糸分裂の忠実度を制御する

SCFCyclin F controls centrosome homeostasis and mitotic fidelity through CP110 degradation p.138

doi: 10.1038/nature09140

Review Article

気候:極域の海洋と大気中のCO2濃度の氷期サイクル

The polar ocean and glacial cycles in atmospheric CO2 concentration p.47

doi: 10.1038/nature09149

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