Nature ハイライト
進化:シャチと同じような殺し屋だったマッコウクジラ類
Nature 466, 7302
現生マッコウクジラはすべての四肢動物の中で最大の咬合部をもつが、その歯は比較的小型で下顎にしか存在せず、採餌は吸引によって行っている。しかし、化石記録に大型の歯が見つかったことから、現在のシャチと似た習性をもち、はるかに大型の捕食性マッコウクジラ類がかつて存在していたことが示唆されていた。今回、ペルーの中新世中期層で捕食性マッコウクジラ類の歯と顎の化石が発見されたことで、この予想は現実のものとなった。このクジラは現生マッコウクジラとほぼ同じ大きさであったが、頭部が3メートルあり、顎には歯が密生していた。そして、現生シャチと同じように、大型の海生脊椎動物、おそらくは約1,200万年前に豊富に生息していた中型のヒゲクジラ類を捕食することができたと考えられる。
2010年7月1日号の Nature ハイライト
気候:氷期サイクルを追跡する
物理:LCLSの最初の大当たり
生理:心筋細胞の若返りと心肥大
遺伝:細菌細胞の空間的組織化
宇宙:超新星は標準光源であり続ける
物理:トンネル電子のパンチ力
進化:シャチと同じような殺し屋だったマッコウクジラ類
生態:種のバランスを保つ有機農業
免疫:円形脱毛症の遺伝学
生理:雄の涙に誘われて