Nature ハイライト
生態:種のバランスを保つ有機農業
Nature 466, 7302
種数(種の豊かさ)の減少は生態系に有害であり、生態系保全の努力は、主として特定の希少種の保護や回復に集中してきた。しかし、相対的な種個体数(均衡度)の不釣り合いの程度が大きくなると、これも生態系に有害なおそれがある。これは、多くの種の密度を同時に変化させないかぎり、元に戻らない。有機農法と従来型農法のジャガイモ畑を調べた新しい調査により、有機農法の畑の方が、種の均衡度が高いことが明らかになった。野外試験でこの均衡度レベルを再現したところ、有機栽培の畑では、天敵の均衡度が高いために有害生物がうまく駆除され、作物量が増大した。有機農法では多くの有用生物種(害虫を食べる)が同程度に存在しており、ジャガイモでは、これが害虫を減らし植物を大きくすることにつながる。
2010年7月1日号の Nature ハイライト
気候:氷期サイクルを追跡する
物理:LCLSの最初の大当たり
生理:心筋細胞の若返りと心肥大
遺伝:細菌細胞の空間的組織化
宇宙:超新星は標準光源であり続ける
物理:トンネル電子のパンチ力
進化:シャチと同じような殺し屋だったマッコウクジラ類
生態:種のバランスを保つ有機農業
免疫:円形脱毛症の遺伝学
生理:雄の涙に誘われて