Volume 471 Number 7336

Editorials

出生コホート研究は小児期と後の人生をつなぐ非常に有益な研究であり、英国の先駆的研究からは、今後のコホート研究を進めるための教訓が得られるはずだ。

p.5

doi: 10.1038/471005a

米国のマイノリティ出身の科学者数は伸び悩んでおり、さらに取り組みを強化する必要がある。

p.5

doi: 10.1038/471005b

大型ハドロン衝突型加速器(LHC)から得られる否定的データも、科学にとっては優れた価値がある。

p.6

doi: 10.1038/471006a

News

NIHのトランスレーショナル科学センター計画に、進め方が性急すぎるとの懸念も。

p.15

doi: 10.1038/471015a

遺伝子操作技術を利用したHIV感染治療の臨床試験で、期待の持てる結果が。

p.16

doi: 10.1038/471016a

製薬業界で、経費削減と実験の重複回避のために、社内研究者による従来の新薬開発システムを見直し、初期段階の研究を大学などに行ってもらおうという機運が。

Traditional drug-discovery model ripe for reform p.17

doi: 10.1038/471017a

米国カリフォルニア州の財政難で、スクリプス海洋研究所図書館が閉鎖の危機に。

p.18

doi: 10.1038/471018a

中国が、開発や汚染によって破壊されている生態系の惨状にようやく腰を上げ、対策を強化へ。

p.19

doi: 10.1038/471019a

News Features

出生コホート研究:生きてきた道を追う

Study of a LIFETIME p.20

1946年3月に英国で始まった、生まれたばかりの赤ちゃんの追跡研究が、65年目を迎える。

doi: 10.1038/471020a

科学教育:保留地の研究

p.25

部族大学では先住アメリカ人たちによる、自らの部族や保留地に関する研究が急速に広がっている。

doi: 10.1038/471025a

News & Views

集団行動:「みんなで決めれば」損しない?

p.40

理論では、決定を下す人の数が多くなるにつれて、その決定の正確さは増していくことが多いと考えられており、これは賭け店やウェブ検索エンジン、株式市場などで使われている事象である。魚も、この「群衆の知恵」効果を使っていることがわかった。

doi: 10.1038/471040a

原子物理学:ドレスアップしてみる原子

p.41

極低温原子を使って、トポロジカル絶縁体からエキゾティックな超流動体や超伝導体のような新しい量子系中の電子の振る舞いをシミュレートするという考えは、実現に少しずつ近づいている。

doi: 10.1038/471041a

タンパク質の折りたたみ:外側からの守り

p.42

タンパク質の折りたたみは、いちかばちかの一発勝負であり、失敗すれば細胞の機能異常や細胞死という容赦のない罰が待っている。細菌を使った研究から、生物がこの過程を細胞質の外というだけでなく、細胞の外に当たる場所でも行っていることが示唆された。

doi: 10.1038/471042a

進化生物学:環形動物のフェイスブック

p.44

環形動物の起源は、進化史を古いほうにずっとさかのぼったところにある。分子系統学的研究により、環形動物の系統群間の深いレベルでの関係が解明され、その祖先である「原初環形動物」がどんなものだったのかが明らかになってきた。

doi: 10.1038/471044a

気候変動:南極のもう1つの周期変動

p.45

南極氷床コアに記録された気温の長期記録についての新しい説明は、局地的な日射が駆動力であると論じている。この説は、古気候学の研究者に基本に立ち返ることを促すものだ。

doi: 10.1038/471045a

幹細胞:誘導多能性の暗黒面

p.46

誘導多能性幹細胞は、治療に使える可能性がきわめて高い。だが、現在の技術で作製されたこの種の細胞のゲノミクスおよびエピゲノミクス解析を行った結果、治療に使用する際の安全性に影響しかねない異常があることがわかった。

doi: 10.1038/471046a

気候変動:海氷の臨界点を再考する

p.47

北極における夏期の海氷の面積はここ数十年間に著しく縮小した。21世紀の気候のシミュレーションでは、人為的に作り出された海氷のない夏という状態が、数年以内に回復可能であることが示唆されている。

doi: 10.1038/471047a

分子生物学:DNA修復の舞台は広がる一方

p.48

Sae2タンパク質は、DNA二本鎖切断の修復を仲介している。Sae2の活性は、そのアセチル基の修飾とオートファジーによる分解の両方によって制御されていることがわかってきた。

doi: 10.1038/471048a

Articles

細胞:多分化能を賦与する再プログラム化過程でのコピー数変動と選択

Copy number variation and selection during reprogramming to pluripotency p.58

doi: 10.1038/nature09871

細胞:ヒトの誘導多能性幹細胞における体細胞コード領域変異

Somatic coding mutations in human induced pluripotent stem cells p.63

doi: 10.1038/nature09805

遺伝:ヒト誘導多能性幹細胞での異常なエピゲノム的再プログラム化のホットスポット

Hotspots of aberrant epigenomic reprogramming in human induced pluripotent stem cells p.68

doi: 10.1038/nature09798

細胞:HDACはDNA損傷応答、二本鎖切断過程およびオートファジーを関連付ける

HDACs link the DNA damage response, processing of double-strand breaks and autophagy p.74

doi: 10.1038/nature09803

Letters

宇宙:南北方向のプラズマ流の変動によって引き起こされる黒点第23周期の異常な極小期

The unusual minimum of sunspot cycle 23 caused by meridional plasma flow variations p.80

doi: 10.1038/nature09786

物理:スピン–軌道結合したボーズ・アインシュタイン凝縮体

Spin–orbit-coupled Bose–Einstein condensates p.83

doi: 10.1038/nature09887

気候:南極の気温と局地的な日射の軌道時間スケールでの同期性

Synchronicity of Antarctic temperatures and local solar insolation on orbital timescales p.91

doi: 10.1038/nature09825

進化:系統ゲノミクス解析により明らかになった環形動物の進化

Phylogenomic analyses unravel annelid evolution p.95

doi: 10.1038/nature09864

発生:張力が誘導する機械的シグナル伝達経路は上皮形態形成を促進する

A tension-induced mechanotransduction pathway promotes epithelial morphogenesis p.99

doi: 10.1038/nature09765

がん:SCFFBW7は、MCL1をユビキチン化および分解の標的として細胞のアポトーシスを調節している

SCFFBW7 regulates cellular apoptosis by targeting MCL1 for ubiquitylation and destruction p.104

doi: 10.1038/nature09732

医学:抗チューブリン化学療法薬に対する感受性はMCL1とFBW7により調節される

Sensitivity to antitubulin chemotherapeutics is regulated by MCL1 and FBW7 p.110

doi: 10.1038/nature09779

遺伝:ショウジョウバエにおける転写伸長促進を介したX染色体の遺伝子量補償

X chromosome dosage compensation via enhanced transcriptional elongation in Drosophila p.115

doi: 10.1038/nature09757

免疫:RAG2のC末端はゲノム不安定性とリンパ腫発生を抑制する

The RAG2 C terminus suppresses genomic instability and lymphomagenesis p.119

doi: 10.1038/nature09755

Review Article

生態:地球の6回目の大量絶滅はすでに始まっているのか

Has the Earth's sixth mass extinction already arrived? p.51

doi: 10.1038/nature09678

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