Nature ハイライト
宇宙:静かなる太陽
Nature 471, 7336
太陽黒点活動の科学的な記録は1755年に始まり、ほぼ11年を周期とする太陽磁気活動は現在、24回目の周期に入っている。今のところ、太陽は非常に活動的だが、黒点活動の第23周期に生じた最近の活動極小期には、黒点のない日数が予想外に多かった。これは、ほぼ100年間で前例がないほどであり、放射エネルギー出力(放射照度)が非常に低く、また宇宙線フラックスが高かったなどの際立った特徴が見られた。Nandyたちは、運動学的ダイナモシミュレーションを使って、この異例な太陽活動極小期の原因と思われる事象を説明している。活動周期の前半では高速な太陽プラズマ流、後半ではそれに続くより低速なプラズマ流を想定すると、第23黒点周期の活動極小期の特徴がどちらも再現されることがわかった。
2011年3月3日号の Nature ハイライト
生態:大量絶滅はもう始まっている?
細胞:iPS細胞に見られた遺伝学的異常
細胞:DNA損傷修復反応へオートファジーを組み込む
宇宙:静かなる太陽
物理:ボソンのスピン–軌道結合
気候:南極の雪の量は局地的に決定される
進化:環形動物の進化史がまとまる
がん:FBW7はアポトーシスを介して作用する