Nature ハイライト

気候:南極の雪の量は局地的に決定される

Nature 471, 7336

グリーンランドと南極の氷床コアから得られた過去の気温の記録は、長期の時間スケールで全球の気候システムを解明するために重要である。ミランコヴィッチ理論によれば、南極の氷床コアに記録されている氷期・間氷期の気候変動は、北半球高緯度域における夏季の日射、すなわち地球の表面が受ける太陽放射の量によって支配される。T Laeppleたちは今回、南極の雪の堆積が南半球冬季に偏っており、北半球の影響には依存しておらず、局地的な日射の変動だけで説明できる可能性を示している。この結果は、ミランコヴィッチ理論を完全に否定する証拠となるには至っていないが、南極氷床コアの記録だけでは、ミランコヴィッチ理論に対する十分な裏付けとはならないことを示している。

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