Volume 477 Number 7366

Editorials

米国海洋大気庁(NOAA)は、気候変動の研究に不可欠な大気観測衛星計画のため、適切な予算確保に努めるべきだ。

p.509

doi: 10.1038/477509a

カナダは、プライバシー保護を言い訳にせず、不正行為を行った研究者の名前を明らかにすべきだ。

p.509

doi: 10.1038/477509b

貴重な文化遺産を守る基盤となる科学的な調査研究を支持すべきだ。

p.510

doi: 10.1038/477510a

News

ウィキリークスが先月公開した外交公電から、インドの売る炭素クレジットの大半が不適格であることが明らかに。

p.517

doi: 10.1038/477517a

ヨーロッパが、ヒトのエピゲノム研究を重点的に助成へ。

Europe to map the human epigenome p.518

doi: 10.1038/477518a

アフリカ諸国が、5歳以下の小児の死亡原因の第2位になっている下痢を防ごうと、ロタウイルスのワクチン接種に力を。

Vaccine campaign to target deadly childhood diarrhoea p.519

doi: 10.1038/477519a

物理学界が、「光よりも速いニュートリノ」の実験結果の検証へ。

Speedy neutrinos challenge physicists p.520

doi: 10.1038/477520a

特許トロール(製品開発や生産をせずに、買い占めた特許権を乱用する企業)による訴訟が、バイオテクノロジー企業の脅威に。

p.521

doi: 10.1038/477521a

すでに死亡しているアボリジニのゲノムの解析計画は、倫理問題に真摯に取り組んでおり、今後、博物館に収蔵されている先住民のゲノム解析のモデルになる可能性も。

p.522

doi: 10.1038/477522a

News Features

経済学:刺激と応答

p.524

2009年の米国の景気刺激策のおかげで科学研究はほっと一息ついたが、期待されたほどの活性化効果はない。

doi: 10.1038/477524a

トランスレーショナル研究:臨床試験を立ち直らせる4つの方法

p.526

優れた医薬品の開発の頓挫を防ぐため、経済的、科学的に負担が大きい臨床試験を改善する方法を探る。

doi: 10.1038/477526a

News & Views

構造生物学:シグナル伝達複合体のスナップショット

p.540

Gタンパク質共役受容体は、アゴニスト分子およびGタンパク質との複合体形成によってシグナル伝達を開始する。このような複合体の結晶構造が初めて明らかにされた。それは、従来の考え方を裏付けるものであると同時に、刺激的でもある。

doi: 10.1038/477540a

宇宙論:重力の大規模な検証

p.541

アルバート・アインシュタインの一般相対性理論が、銀河団という規模での厳密な検証に合格した。だが、この検証は、重力に関するまた別の一般的モデルを除外できるものではない。

doi: 10.1038/477541a

免疫学:固有のパートナーを識別する

p.543

哺乳類の免疫系は、非常に多くの病原体と闘うことができる。その一部は、特定の炎症誘発性インフラマソーム複合体の組み立てを指示する細胞質受容体スーパーファミリーがかかわっていることによっている。

doi: 10.1038/477543a

気候科学:海洋の動的変化は変動の説明に不必要?

p.544

熱帯での気候変動を解明し、太平洋の気候が地球温暖化に伴ってどのように変化していくかを知るには、多数の難問を解決しなければならない。こうした変化にかかわっている機序について、ある研究から予想外の見方が得られた。

doi: 10.1038/477544a

心血管生物学:カルシウムポンプのパートナーがないために起こる心不全

p.546

心臓細胞がカルシウムイオンの扱いを誤ると心機能不全が引き起こされる。細胞内のカルシウムポンプの1つへの重要な修飾が見つかったことは、ポンプのこうした誤りを正すための道を開くかもしれない。

doi: 10.1038/477546a

炭素循環:炭素の判断基準の低下

p.547

陸上の植物による全球的な炭素取り込みは、以前に考えられていたよりも多い可能性が出てきた。それは、増加中の大気中二酸化炭素濃度に関する不可解なキーリング曲線に基づく観察によるものだ。

doi: 10.1038/477547a

Articles

構造生物学:β2アドレナリン受容体とGsタンパク質が作る複合体の結晶構造

Crystal structure of the β2 adrenergic receptor–Gs protein complex p.549

doi: 10.1038/nature10361

構造生物学:ヌクレオチドを結合していないダイナミンの結晶構造

Crystal structure of nucleotide-free dynamin p.556

doi: 10.1038/nature10369

Letters

宇宙:一般相対性理論によって予測された、銀河団内の銀河の重力赤方偏移

Gravitational redshift of galaxies in clusters as predicted by general relativity p.567

doi: 10.1038/nature10445

宇宙:たて座δ型星で効率的な外層対流によって生じる、太陽と似た振動の励起

The excitation of solar-like oscillations in a δ Sct star by efficient envelope convection p.570

doi: 10.1038/nature10389

量子情報科学:固体状態スピン量子レジスターの高忠実度の射影読み出し

High-fidelity projective read-out of a solid-state spin quantum register p.574

doi: 10.1038/nature10401

気候:大気中二酸化炭素酸素同位体比のエルニーニョによって駆動される年々変動

Interannual variability in the oxygen isotopes of atmospheric CO2 driven by El Niño p.579

doi: 10.1038/nature10421

進化:鳥類の指のトランスクリプトーム解析により明らかにされた、鳥類の指の保存されたアイデンティティーと派生的なアイデンティティー

Transcriptomic analysis of avian digits reveals conserved and derived digit identities in birds p.583

doi: 10.1038/nature10391

遺伝:グリーンアノールトカゲのゲノム並びに鳥類および哺乳類との比較分析

The genome of the green anole lizard and a comparative analysis with birds and mammals p.587

doi: 10.1038/nature10390

細胞:細菌リガンドのNAIPによる自然免疫認識はインフラマソームの特異性を決定する

Innate immune recognition of bacterial ligands by NAIPs determines inflammasome specificity p.592

doi: 10.1038/nature10394

免疫:細菌のフラジェリンとIII型分泌装置に対するNLRC4インフラマソーム受容体

The NLRC4 inflammasome receptors for bacterial flagellin and type III secretion apparatus p.596

doi: 10.1038/nature10510

生理:心不全におけるSERCA2aのSUMO1依存性調節

SUMO1-dependent modulation of SERCA2a in heart failure p.601

doi: 10.1038/nature10407

発生:卵母細胞によるエピジェネティックな再プログラム化にDNAジオキシゲナーゼTet3が果たす役割

The role of Tet3 DNA dioxygenase in epigenetic reprogramming by oocytes p.606

doi: 10.1038/nature10443

構造生物学:β2アドレナリン受容体が引き起こす、Gタンパク質Gsのコンホメーション変化

Conformational changes in the G protein Gs induced by the β2 adrenergic receptor p.611

doi: 10.1038/nature10488

生化学:ポリ(ADPリボース)グリコヒドロラーゼの構造と触媒機構

The structure and catalytic mechanism of a poly(ADP-ribose) glycohydrolase p.616

doi: 10.1038/nature10404

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