Volume 598 Number 7880

Editorials

WHOの報告書によると、世界では10〜19歳の少なくとも13%がメンタルヘルスの問題を抱えており、予防や治療の研究が急務である。

Young people’s mental health is finally getting the attention it needs p.235

doi: 10.1038/d41586-021-02690-5

COVID-19に関して公共の場で発言した科学者がハラスメントを受ける事例が増えており、所属研究機関は彼らを守るよう力を尽くすべきだ。

COVID scientists in the public eye need protection from threats p.236

doi: 10.1038/d41586-021-02757-3

News

ニュージーランドの地球科学研究機関GNSサイエンスが、2019年のホワイト島の噴火で死者・負傷者が出たことに関して刑事責任を問われ、裁判に。

Science agency on trial following deadly White Island volcano eruption p.243

doi: 10.1038/d41586-021-02658-5

英国ウェルカムトラストが支援するマラウイの医療プログラムで、いじめ行為があったとして調査されていたディレクターが職務を再開し、懸念の声も。

Head of Wellcome-funded Malawi health project investigated for bullying p.245

doi: 10.1038/d41586-021-02662-9

2021年のノーベル医学生理学賞は、熱や機械刺激を感じる仕組みを解明した米国のDavid Julius氏とArdem Patapoutian氏の2人に。

Medicine Nobel goes to scientists who discovered biology of senses p.246

doi: 10.1038/d41586-021-01283-6

ノーベル物理学賞は、複雑系の理解への貢献で米国の真鍋淑郎氏とドイツのKlaus Hasselmann氏、イタリアのGiorgio Parisi氏に。

Climate modellers and theorist of complex systems share physics Nobel p.246

doi: 10.1038/d41586-021-02703-3

ノーベル化学賞は、安価で持続可能な有機分子触媒を開発した米国のBenjamin List氏とドイツのDavid MacMillan氏に。

‘Elegant’ catalysts that tell left from right scoop chemistry Nobel p.247

doi: 10.1038/d41586-021-02704-2

SARS-CoV-2ワクチンが今年のノーベル賞を逃した理由とは。

Why COVID vaccines didn’t win a science Nobel this year p.248

doi: 10.1038/d41586-021-02754-6

NASAがジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の名称を変更しないと発表したが、多くの天文学者が怒りの声を。

NASA won’t rename James Webb telescope — and astronomers are angry p.249

doi: 10.1038/d41586-021-02678-1

News Features

科学者への風当たり

‘I hope you die’: how the COVID pandemic unleashed attacks on scientists p.250

多くの研究者が、COVID-19に関してメディアで意見を述べた後で、殺害予告や身体的・性的暴力の脅しを受けていたことが、Natureのアンケートから明らかになった。

doi: 10.1038/d41586-021-02741-x

News & Views

惑星科学:金星が一度も居住可能にならなかった可能性

Venus might never have been habitable p.259

今回、最新の気候モデルによって、金星では液体の水の海洋が形成されたことはなく、居住可能であると考えられた太陽系外惑星の一部は居住可能でない可能性があることが示された。

doi: 10.1038/d41586-021-02720-2

食餌:全球の人類の栄養に関する水産食品の評価

A spotlight on seafood for global human nutrition p.260

将来の食餌において、水産食品はヒトの健康の向上にどのような役割を果たす可能性があるのだろう。今回、2030年までの海産物水産食品の摂取の増加が、世界の人口にどのような影響を及ぼす可能性があるか評価するモデル化研究によって、この問題に答えを出す方法が得られた。

doi: 10.1038/d41586-021-02436-3

気候科学:気候変動のエネルギーコスト

The cost of changes in energy use in a warming world p.262

地球が温暖化すると、全世界のエネルギーの使用はどのように変化するのか。今回、エネルギーの消費量が穏やかに純減するが、おそらく多くの地域で人々の福利が犠牲になることが、モデル化によって示唆された。

doi: 10.1038/d41586-021-02721-1

神経変性:多様なタウタンパク質折りたたみ構造による疾患の分類

Structural strains of misfolded tau protein define different diseases p.264

タウオパチーと呼ばれる疾患では、ミスフォールドしたタンパク質が繊維と呼ばれる凝集体を形成する。今回、9種類の異なるタウオパチーから得られた繊維によって、タウタンパク質がさまざまにミスフォールドしていることが示され、繊維の構造に基づく疾患の分類が可能になった。

doi: 10.1038/d41586-021-02611-6

老化:夜間絶食によって寿命が延びる可能性

Evidence that overnight fasting could extend healthy lifespan p.265

今回、夜間絶食期間を長くする摂餌スケジュールによって、夜間のオートファジー(細胞内の物質を分解してリサイクルする過程)が促進されて、ショウジョウバエの健康寿命が延びることが分かった。

doi: 10.1038/d41586-021-01578-8

Articles

天文学:反復する高速電波バースト源のエネルギーの二峰分布

A bimodal burst energy distribution of a repeating fast radio burst source p.267

doi: 10.1038/s41586-021-03878-5

天文学:白色矮星の周囲を軌道運動する木星類似天体

A Jovian analogue orbiting a white dwarf star p.272

doi: 10.1038/s41586-021-03869-6

惑星科学:昼と夜の雲の非対称性が金星では原始海洋の形成を妨げたが、地球ではそうではなかった

Day–night cloud asymmetry prevents early oceans on Venus but not on Earth p.276

doi: 10.1038/s41586-021-03873-w

量子物理学:誤り訂正されたキュービットのフォールトトレラント制御

Fault-tolerant control of an error-corrected qubit p.281

doi: 10.1038/s41586-021-03928-y

ナノスケール材料:ナノグラフェンのスピン鎖における分数エッジ励起の観測

Observation of fractional edge excitations in nanographene spin chains p.287

doi: 10.1038/s41586-021-03842-3

物性物理学:異常非相反トポロジカルエッジ状態の優れたロバスト性

Superior robustness of anomalous non-reciprocal topological edge states p.293

doi: 10.1038/s41586-021-03868-7

化学:高密度にカテナン化された骨格を持つ弾性金属有機結晶

An elastic metal–organic crystal with a densely catenated backbone p.298

doi: 10.1038/s41586-021-03880-x

エネルギー科学:光触媒を利用した、水からの100 m2スケールのソーラー水素製造

Photocatalytic solar hydrogen production from water on a 100-m2 scale p.304

doi: 10.1038/s41586-021-03907-3

気候科学:世界のエネルギー消費に対する炭素の社会的費用の見積もり

Estimating a social cost of carbon for global energy consumption p.308

doi: 10.1038/s41586-021-03883-8

神経科学:ドーパミンは嗅内皮質での連合記憶の符号化を促進する

Dopamine facilitates associative memory encoding in the entorhinal cortex p.321

doi: 10.1038/s41586-021-03948-8

発生生物学:ヒト胎児骨髄における血液と免疫の発生とダウン症候群でのそれらの変化

Blood and immune development in human fetal bone marrow and Down syndrome p.327

doi: 10.1038/s41586-021-03929-x

微生物学:ある腸内細菌は大腸ムチンを利用するのに、ある単一のスルファターゼのみを必要とする

A single sulfatase is required to access colonic mucin by a gut bacterium p.332

doi: 10.1038/s41586-021-03967-5

コロナウイルス:2020年の米国におけるCOVID-19の疾病負荷と特徴

Burden and characteristics of COVID-19 in the United States during 2020 p.338

doi: 10.1038/s41586-021-03914-4

免疫学:レクチンはSARS-CoV-2感染を増強し、中和抗体に影響を及ぼす

Lectins enhance SARS-CoV-2 infection and influence neutralizing antibodies p.342

doi: 10.1038/s41586-021-03925-1

がん:前立腺がん発見のための生物学的情報に基づくディープニューラルネットワーク

Biologically informed deep neural network for prostate cancer discovery p.348

doi: 10.1038/s41586-021-03922-4

老化:概日オートファジーはiTRFを介する長命を駆動する

Circadian autophagy drives iTRF-mediated longevity p.353

doi: 10.1038/s41586-021-03934-0

神経変性:構造に基づくタウオパチーの分類

Structure-based classification of tauopathies p.359

doi: 10.1038/s41586-021-03911-7

分子生物学:哺乳類ミトコンドリアの超複合体CIII2CIVの構造と集合

Structure and assembly of the mammalian mitochondrial supercomplex CIII2CIV p.364

doi: 10.1038/s41586-021-03927-z

構造生物学:ヒトの転写とDNA修復の共役の構造基盤

Structural basis of human transcription–DNA repair coupling p.368

doi: 10.1038/s41586-021-03906-4

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