Nature ハイライト
気候科学:予測される将来のエネルギー支出の気候変動による減少
Nature 598, 7880
1トンのCO2を排出することで生じる損害の総額、炭素の社会的費用(SCC)を用いて見積もられている。しかし、SCCは経済全体を集約しているため、セクターレベルの影響や可能な政策措置について得られる知見は限られている。今回S Hsiangたちは、世界のエネルギー消費についてSCCを算出し、21世紀末までの気候変動によって、エネルギー支出がCO2排出量1トン当たり約1〜3ドル減少すると結論付けている。彼らは、熱帯地域では冷房への支出が劇的に増えるが、寒冷な国々では暖房への支出がさらに大きく減ると予測している。注目すべきは、温暖な国々が冷房により重点を置いて投資できるほど裕福であれば、結果は異なる可能性があることである。
2021年10月14日号の Nature ハイライト
天文学:白色矮星の周囲を軌道運動する木星型惑星
惑星科学:海洋は原始地球では形成されたが、原始金星では形成されなかった
化学:多孔性結晶の圧搾
エネルギー科学:光触媒を用いる100 m2スケールの安全な水素製造
気候科学:予測される将来のエネルギー支出の気候変動による減少
食餌:水産食品の可能性を探る
神経科学:海馬回路も強化学習にドーパミン信号系を使っている
コロナウイルス:2020年の米国におけるCOVID-19の疾病負荷の定量化
免疫学:C型レクチンはSARS-CoV-2の付着受容体である
老化:時間制限摂餌の仕組み