Nature ハイライト
Cover Story:タンパク質のミスフォールド:タウ繊維の形状による神経変性疾患の分類
Nature 598, 7880
タウタンパク質は、神経細胞を形作る骨格を安定させると考えられているが、タウオパチーと呼ばれる神経変性疾患では、ミスフォールドしたタウタンパク質が積み重なって、繊維を形成している。今回S ScheresとM Goedertたちは、アルツハイマー病などの疾患に見られるタウ繊維のさまざまな折りたたみ構造を特定した以前の研究をさらに推し進めている。彼らは、進行性核上性麻痺や嗜銀顆粒性認知症などの特定の疾患に関連する4種類の折りたたみ構造を新たに見いだしている。次に、これらのさまざまな折りたたみに関する情報を用い、折りたたみ構造に基づいて、タウオパチーを階層的に分類した。この分類は、臨床診断や死後の神経病理を補完するものであり、新たな疾患単位の特定に用いることもできる。表紙は、これまでに特定の疾患に関連付けられたさまざまなタウ繊維のいくつかを示している。
2021年10月14日号の Nature ハイライト
天文学:白色矮星の周囲を軌道運動する木星型惑星
惑星科学:海洋は原始地球では形成されたが、原始金星では形成されなかった
化学:多孔性結晶の圧搾
エネルギー科学:光触媒を用いる100 m2スケールの安全な水素製造
気候科学:予測される将来のエネルギー支出の気候変動による減少
食餌:水産食品の可能性を探る
神経科学:海馬回路も強化学習にドーパミン信号系を使っている
コロナウイルス:2020年の米国におけるCOVID-19の疾病負荷の定量化
免疫学:C型レクチンはSARS-CoV-2の付着受容体である
老化:時間制限摂餌の仕組み