Nature ハイライト
コロナウイルス:2020年の米国におけるCOVID-19の疾病負荷の定量化
Nature 598, 7880
J Shamanたちは今回、数学的なモデル化手法を使って、2020年の米国内での重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の伝播を疫学的にシミュレートし、ウイルス動態の基盤となる疫学的特徴の推定を可能にしている。彼らは、2020年末までに米国の人口の約3分の1が感染し、いくつかの大都市圏では感染性のある人の割合が2.4%まで上昇したと推定した。また、感染死亡率は次第に減少して2020年の後半では0.3%に達したが(診断の早期化と患者ケアの改善によると思われる)、季節性インフルエンザ(0.08%)や2009年のインフルエンザパンデミック(0.0076%)の両方の推定感染死亡率をまだ大きく上回っていることも明らかになった。著者たちは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の死亡者数は過少報告されている可能性があり、感染死亡率が低く推定されているかもしれないと注意を促している。
2021年10月14日号の Nature ハイライト
天文学:白色矮星の周囲を軌道運動する木星型惑星
惑星科学:海洋は原始地球では形成されたが、原始金星では形成されなかった
化学:多孔性結晶の圧搾
エネルギー科学:光触媒を用いる100 m2スケールの安全な水素製造
気候科学:予測される将来のエネルギー支出の気候変動による減少
食餌:水産食品の可能性を探る
神経科学:海馬回路も強化学習にドーパミン信号系を使っている
コロナウイルス:2020年の米国におけるCOVID-19の疾病負荷の定量化
免疫学:C型レクチンはSARS-CoV-2の付着受容体である
老化:時間制限摂餌の仕組み