Nature ハイライト
Cover Story:三角形のレーザー:エッジのトポロジカル効果を使った電気的に駆動されるレーザー
Nature 578, 7794
電気的に駆動される半導体レーザーは、最も一般的なレーザーの一種で、光ファイバー通信からレーザー印刷やバーコードリーダーまで、我々の日常生活で広く使われている。しかし、半導体レーザーの性能は、半導体の欠陥、つまり製造時や実装時に導入される損傷や不完全さの影響を受ける。今回Q Wangたちは、量子カスケードレーザーに基づくテラヘルツレーザーを報告しており、そうした問題は光のトポロジカルな特性を利用することで解決できる可能性を示唆している。著者たちは、配向が異なる2つのフォトニック結晶格子の間に、表紙に示すような三角形の界面を作って、鋭い角や欠陥があってもテラヘルツ放射を放出できる、トポロジカルエッジ状態を生み出した。このレーザーは電気的に駆動されるので、トポロジカル系の実用に向けて道を開く可能性がある。
2020年2月13日号の Nature ハイライト
量子光学:大都市スケールの光ファイバーを通した量子エンタングルメント
材料科学:乱れているがランダムではない
医学研究:正常な上皮での喫煙に誘発される変異生成の動態
神経変性:αシヌクレイン株の特定による診断
生理学:プレキシンD1の二面性
細胞生物学:細胞の品質管理における相分離
細胞生物学:相分離がオートファジーの開始を仲介する
分子生物学:piRNAの2つのプロセシング経路
構造生物学:マラリアでの糖輸送