Nature ハイライト
分子生物学:相同組換えの詳細を見る
Nature 586, 7831
細菌のDNA鎖交換タンパク質であるRecAは、一本鎖DNA上に集合し、次いで二本鎖DNAに入り込んでD(displacementの略)ループとして知られる構造を形成する。今回N Paveltichたちは、一本鎖DNA上のRecAミニフィラメントが相補的二本鎖DNAと非相補的二本鎖DNAの両方と結合した状態の構造を報告している。得られた画像から、二本鎖DNAが開裂し、DNAがRecAの第二のDNA結合部位に結合する仕組み、さらにこの結合が置き換えを引き起こす仕組みが明らかになった。重要なのは、この構造から、開裂拡大の障壁と思われる事態が相同性により乗り越えられる機構だけでなく、相同性が検出できない場合に開裂部分の長さを制限する機構も明らかになったことである。
2020年10月29日号の Nature ハイライト
天文学:彗星の強度
触媒:チタンシリカライト1の二核Ti部位での高効率エポキシ化
化学:金属を用いないホウ素化
生態学:生物多様性および気候のための生態学的修復
遺伝学:未確定の潜在能を持つクローン造血の遺伝的基盤
遺伝学:生殖系列の遺伝的変動は骨髄増殖性腫瘍と関連する
コロナウイルス:イヌのSARS-CoV-2感染
免疫学:ホスファターゼの誘導による受容体阻害
発生生物学:スイスチーズに似た新型の内皮細胞「アエロサイト」の発見
分子生物学:相同組換えの詳細を見る