Nature ハイライト

分子生物学:相同組換えの詳細を見る

Nature 586, 7831

細菌のDNA鎖交換タンパク質であるRecAは、一本鎖DNA上に集合し、次いで二本鎖DNAに入り込んでD(displacementの略)ループとして知られる構造を形成する。今回N Paveltichたちは、一本鎖DNA上のRecAミニフィラメントが相補的二本鎖DNAと非相補的二本鎖DNAの両方と結合した状態の構造を報告している。得られた画像から、二本鎖DNAが開裂し、DNAがRecAの第二のDNA結合部位に結合する仕組み、さらにこの結合が置き換えを引き起こす仕組みが明らかになった。重要なのは、この構造から、開裂拡大の障壁と思われる事態が相同性により乗り越えられる機構だけでなく、相同性が検出できない場合に開裂部分の長さを制限する機構も明らかになったことである。

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