Nature ハイライト
遺伝学:生殖系列の遺伝的変動は骨髄増殖性腫瘍と関連する
Nature 586, 7831
骨髄細胞の過剰産生は骨髄増殖性腫瘍(MPN)の特徴であり、MPNは造血幹細胞(HSC)における体細胞ドライバー変異の蓄積に起因する。V Sankaranたちは今回、3つのコホート(英国バイオバンク、FinnGen、23andMe)を用いて、全部でMPN症例3797例および対照115万2977例のゲノム規模の関連解析を行い、MPNリスクに関連する可能性のある生殖系列の遺伝的バリアントをマッピングした。その結果、17座位が特定され、そのうちの7座位はこれまでに報告されていないものであった。詳細にマッピングされた一連のMPNリスクバリアントを用いることで、多能性HSCがMPNの原因となる細胞タイプである可能性がはっきりと示された。また、in silico解析および実験的追跡解析から、チェックポイントキナーゼ2(CHEK2)およびジンクフィンガータンパク質GFI1BがHSCの自己複製に役割を担っていることが示された。
2020年10月29日号の Nature ハイライト
天文学:彗星の強度
触媒:チタンシリカライト1の二核Ti部位での高効率エポキシ化
化学:金属を用いないホウ素化
生態学:生物多様性および気候のための生態学的修復
遺伝学:未確定の潜在能を持つクローン造血の遺伝的基盤
遺伝学:生殖系列の遺伝的変動は骨髄増殖性腫瘍と関連する
コロナウイルス:イヌのSARS-CoV-2感染
免疫学:ホスファターゼの誘導による受容体阻害
発生生物学:スイスチーズに似た新型の内皮細胞「アエロサイト」の発見
分子生物学:相同組換えの詳細を見る