Nature ハイライト
化学:金属を用いないホウ素化
Nature 586, 7831
ホウ素は、有機分子に複雑性を導入する汎用的な手段となっている。これまで、C–H結合をホウ素化する戦略の全てで、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)などの遷移金属触媒が用いられてきた。今回V Aggarwalたちは、金属を用いずに、光を用いてアルキルC–H結合にボロン酸エステルを組み込む方法を報告している。塩化物触媒を用いる光誘起水素原子移動によってアルキルラジカルが形成され、次にこのラジカルがジボロン試薬と直接反応することでC–B結合が形成される。この方法はまた、第二級位や第三級位の弱いC–H結合よりも、強い第一級C–H結合に対する選択性が高いので、これまでの方法も補完する。
2020年10月29日号の Nature ハイライト
天文学:彗星の強度
触媒:チタンシリカライト1の二核Ti部位での高効率エポキシ化
化学:金属を用いないホウ素化
生態学:生物多様性および気候のための生態学的修復
遺伝学:未確定の潜在能を持つクローン造血の遺伝的基盤
遺伝学:生殖系列の遺伝的変動は骨髄増殖性腫瘍と関連する
コロナウイルス:イヌのSARS-CoV-2感染
免疫学:ホスファターゼの誘導による受容体阻害
発生生物学:スイスチーズに似た新型の内皮細胞「アエロサイト」の発見
分子生物学:相同組換えの詳細を見る