Nature ハイライト
遺伝学:未確定の潜在能を持つクローン造血の遺伝的基盤
Nature 586, 7831
未確定の潜在能を持つクローン造血(CHIP;clonal haematopoiesis of indeterminate potential)とは、体細胞変異が白血球に選択的優位性をもたらし、クローン増殖を引き起こし得る過程のことである。S KathiresanとP Natarajanたちたちは今回、総数9万7691人のTOPMedプログラム参加者のうち4229人でCHIPを検出し、CHIPは血液、脂質、炎症の形質と関連することを明らかにしている。このうちの6万5405人の集団(CHIPドライバーを有する3831人を含む)におけるゲノム規模関連解析では、CHIPの状態と関連する3つの遺伝的座位が見つかった。その1つはTET2近傍の座位で、アフリカ系の祖先を持つ参加者に固有だった。TET2座位の機能評価から、遠位エンハンサー機能の破壊が、CHIP状態と関連する原因機構らしいことが分かった。
2020年10月29日号の Nature ハイライト
天文学:彗星の強度
触媒:チタンシリカライト1の二核Ti部位での高効率エポキシ化
化学:金属を用いないホウ素化
生態学:生物多様性および気候のための生態学的修復
遺伝学:未確定の潜在能を持つクローン造血の遺伝的基盤
遺伝学:生殖系列の遺伝的変動は骨髄増殖性腫瘍と関連する
コロナウイルス:イヌのSARS-CoV-2感染
免疫学:ホスファターゼの誘導による受容体阻害
発生生物学:スイスチーズに似た新型の内皮細胞「アエロサイト」の発見
分子生物学:相同組換えの詳細を見る