Nature ハイライト

遺伝学:未確定の潜在能を持つクローン造血の遺伝的基盤

Nature 586, 7831

未確定の潜在能を持つクローン造血(CHIP;clonal haematopoiesis of indeterminate potential)とは、体細胞変異が白血球に選択的優位性をもたらし、クローン増殖を引き起こし得る過程のことである。S KathiresanとP Natarajanたちたちは今回、総数9万7691人のTOPMedプログラム参加者のうち4229人でCHIPを検出し、CHIPは血液、脂質、炎症の形質と関連することを明らかにしている。このうちの6万5405人の集団(CHIPドライバーを有する3831人を含む)におけるゲノム規模関連解析では、CHIPの状態と関連する3つの遺伝的座位が見つかった。その1つはTET2近傍の座位で、アフリカ系の祖先を持つ参加者に固有だった。TET2座位の機能評価から、遠位エンハンサー機能の破壊が、CHIP状態と関連する原因機構らしいことが分かった。

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