Nature ハイライト
顕微鏡学:量子の力で顕微鏡の分解能を高める
Nature 594, 7862
光学顕微鏡では、照明光の強度を高めると、より高い感度や分解能が得られる。しかし、生体試料を分析する場合は、明る過ぎる光が損傷を生じさせる可能性があるため、この方法は常に使えるわけではない。光子数を増やさずに顕微鏡の性能を高める理論的可能性の1つに、量子状態にした光の使用がある。今回C Casacioたちは、スクイーズド光を用いると、コヒーレントラマン顕微鏡で得られる信号対雑音比(SN比)が、同じビーム照度で35%向上することを実験的に示している。これによって、他の方法では光損傷限界にあって解像できないと思われる細胞内の生物学的構造が明らかになった。
2021年6月10日号の Nature ハイライト
顕微鏡学:量子の力で顕微鏡の分解能を高める
計算機工学:コンピューターチップ設計の加速化
電池:アニオンレドックス機構の妥当性確認
進化学:太古の顕花植物の手掛かり
微生物学:太古の腸内マイクロバイオーム
コロナウイルス:SARS-CoV-2が宿主の遺伝子発現を遮断する仕組み
コロナウイルス:SARS-CoV-2感染のマルチオミクス像
コロナウイルス:アジュバントによるワクチンの増強
コロナウイルス:COVID-19の長く残る症状を詳しく描写
がん:光への曝露とグリオーマ増殖を結び付ける