Nature ハイライト
応用物理学:室温における単一光子非線形性の実現
Nature 597, 7877
単一光子によって誘起される、非線形性などの光学現象は、光学デバイスの消費電力を基本的な量子限界まで抑えることができるため、非常に望ましい。これまでの、さまざまな材料系における単一光子非線形性の実証は、低温に限られていた。今回P Lagoudakisたちは、光微小共振器に閉じ込められた有機分子と光の強い相互作用に基づき、室温でこれを実現したことを報告している。著者たちは、共振器内に形成される励起子ポラリトン凝縮体の、単一光子による周囲条件での全光学的超高速制御を実証した。今回の結果は、巨視的な励起子ポラリトン凝縮体のように、光の量子的な性質と古典的な現象の橋渡しをすることで、単一光子駆動型の光デバイスの新たな機会を開く。
2021年9月23日号の Nature ハイライト
天文学:約7の赤方偏移にある塵に掩蔽された銀河
応用物理学:室温における単一光子非線形性の実現
ナノスケールデバイス:チップベースの粒子加速器のエネルギーの増大
地球科学:海洋地殻の磁気構造の3D測定
生態学:アマゾン地域の火災は1万種を超える生物の分布域を縮小させる
人類の移動:太平洋諸島の人々のゲノム
微生物学:細菌相による薬剤の生物蓄積
ウイルス学:2021年のエボラウイルスアウトブレイクの起源
分子生物学:単一細胞での翻訳