Nature ハイライト

人類の移動:太平洋諸島の人々のゲノム

Nature 597, 7877

ポリネシアにおける人類の移動をイメージしたイラスト。マルケサス諸島(上)、マンガレバ島(中央)、ライババエ島(左下)、イースター島(右下)は、いずれも特徴的な巨石像で知られる。
ポリネシアにおける人類の移動をイメージしたイラスト。マルケサス諸島(上)、マンガレバ島(中央)、ライババエ島(左下)、イースター島(右下)は、いずれも特徴的な巨石像で知られる。 | 拡大する

Credit: Illustrated by Zaira Zamudio López

ポリネシアは、地球の面積の3分の1を占める海洋に点在する無数の小島によって構成される。この広大な地域での人類の定着は、人類の探検をめぐる不思議の1つだが、ポリネシアにおける人類の移動の年代および期間は議論の的となっている。今回A Moreno-Estradaたちは、そうした移動がサモアから始まり、まず9世紀にクック諸島を通って広がり、11世紀にはソシエテ諸島、12世紀にはオーストラル諸島西部およびトゥアモトゥ諸島へ、最後に、いずれも巨石像文化を持つ、北はマルケサス諸島、南はライババエ島、そしてポリネシア諸島最東端のイースター島(ラパ・ヌイ)まで広がったことを明らかにしている。イースター島への人類の定着は、1200年ごろにマンガレバ島を介した移動によってもたらされた。この研究は、考古学的な証拠に基づくものではなく、太平洋の21の主要な島嶼集団の430人の現代人に由来するゲノムから得られた証拠に基づいている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度