Nature ハイライト
人類の移動:太平洋諸島の人々のゲノム
Nature 597, 7877
ポリネシアは、地球の面積の3分の1を占める海洋に点在する無数の小島によって構成される。この広大な地域での人類の定着は、人類の探検をめぐる不思議の1つだが、ポリネシアにおける人類の移動の年代および期間は議論の的となっている。今回A Moreno-Estradaたちは、そうした移動がサモアから始まり、まず9世紀にクック諸島を通って広がり、11世紀にはソシエテ諸島、12世紀にはオーストラル諸島西部およびトゥアモトゥ諸島へ、最後に、いずれも巨石像文化を持つ、北はマルケサス諸島、南はライババエ島、そしてポリネシア諸島最東端のイースター島(ラパ・ヌイ)まで広がったことを明らかにしている。イースター島への人類の定着は、1200年ごろにマンガレバ島を介した移動によってもたらされた。この研究は、考古学的な証拠に基づくものではなく、太平洋の21の主要な島嶼集団の430人の現代人に由来するゲノムから得られた証拠に基づいている。
2021年9月23日号の Nature ハイライト
天文学:約7の赤方偏移にある塵に掩蔽された銀河
応用物理学:室温における単一光子非線形性の実現
ナノスケールデバイス:チップベースの粒子加速器のエネルギーの増大
地球科学:海洋地殻の磁気構造の3D測定
生態学:アマゾン地域の火災は1万種を超える生物の分布域を縮小させる
人類の移動:太平洋諸島の人々のゲノム
微生物学:細菌相による薬剤の生物蓄積
ウイルス学:2021年のエボラウイルスアウトブレイクの起源
分子生物学:単一細胞での翻訳