Nature ハイライト

量子物理学:量子物理学における複素数の役割

Nature 600, 7890

量子力学の標準的な定式化は複素数に依存しており、複素数には虚数部が含まれる。複素数によって電磁気学の計算が容易になるのと同様に、こうした定式化が数学上の便宜的な形式と見なすことができるのかどうかは分かっていなかった。今回M Renouたちは、ベルの不等式と同様な不等式を導いており、これによって標準的な量子物理学の予測と、複素数を全く使わずに構築された量子物理学の予測を実験によって識別できるようになった。今回の結果は、こうした違いが顕著になるのは、マルチパーティシナリオにおいてのみであることを示唆している。

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