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植物:明らかになった同系交配の予防機構

Nature 439, 7078

ある種の植物が、「自分」の花粉やごく近縁の植物の花粉による受精を妨げることで同系交配を防いでいる仕組みが明らかになった。  植物はさまざまな機構を用いて交配を制御しているが、これは花粉の拡散を風や動物に依存することが多いからである。多くの植物種の雌性部分は、花の花粉を受け取る構造体中でS-RNアーゼとよばれる毒性になりうる分子を産生することが知られている。このS-RNアーゼが殺すのは「自分」の花粉だけで、B McClureたちは、この選択性がどのようにして生じるのかを明らかにした。  S-RNアーゼは性的和合性をもつ花粉に取り込まれると、細胞内のある区画に安全にしまい込まれ、S-RNアーゼの放出に必要なタンパク質の1つが分解される。一方、不和合性の「自分」の花粉に取り込まれた場合には、S-RNアーゼの放出を担うタンパク質がその活性を維持し、S-RNアーゼが細胞内の囲みから解放される。このS-RNアーゼは花粉に対して毒性を及ぼし、結果として植物は「自分」の花粉を拒絶することになるのだ。

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