Nature ハイライト
Cover Story:赤く見える:原子時計の間のサブミリメートルスケールの重力赤方偏移
Nature 602, 7897
アインシュタインの一般相対性理論は、地球の重力によって、地球からの距離が異なる時計が異なる速さで時を刻むのに十分なだけ時空がひずむと予想している。これは、重力赤方偏移と呼ばれる効果である。今回T BothwellとJ Yeたちは、サブミリメートルのスケールでこの効果を実証している。彼らは、極低温のストロンチウム原子の雲を用いて、一連の原子時計を効率よく作製した。表紙に描かれているように、原子はパンケーキ状の光トラップに捕捉され、そこでレーザーによって調べられる。著者たちは、原子雲の一方の側からその反対側にかけて周波数の線形変化(赤方偏移)を観測し、それぞれの原子時計がほんの少し異なる速さで時を刻んでいることを示すことができた。
2022年2月17日号の Nature ハイライト
材料科学:内蔵されたエネルギー源
量子物理学:核スピンを用いたレジスター
プラズマ物理学:深層強化学習によるトカマクの設計
計測学:多重化光格子時計の実現
物性物理学:異常金属散乱のスケーリング
材料科学:高強度アルミニウム合金の捕捉水素の解析
環境科学:夜間の温暖化が地球規模の火事を強める
進化神経科学:コウモリ類の内耳構造
植物科学:成長損失を伴わないうどんこ病抵抗性
神経科学:海馬場所細胞の視覚選択性
神経科学:喉の渇きが癒される仕組み
ウイルス学:アルファウイルスはリポタンパク質受容体を使って感染する
免疫学:白血病寛解後の長期持続CAR T細胞の特徴
がん遺伝学:がんに見られるクラスター形成変異とAPOBEC3の役割
細胞生物学:多形性グリオブラストーマでの変異はEGF受容体の二量体化に影響する
計算生物学:新規タンパク質の設計はまず骨格を決めてから
構造生物学:シナプス外に存在するαβ GABAA受容体の構造