Nature ハイライト
神経科学:海馬場所細胞の視覚選択性
Nature 602, 7897
齧歯類のナビゲーションに関するこれまでの研究では、海馬ニューロンに場所選択性が生じるには、例えば、視覚手掛かりやロコモーション、課題の要求など、いくつかの種類の情報や入力が必要と示唆されてきた。しかし霊長類では、海馬でのそうしたニューロンの符号化において、場所との連合を作るのにロコモーションは必要でない。こうした差異の理解を深めるため、M Mehtaらは今回、体を固定したラットに視覚刺激を与え、海馬細胞が課題要求やロコモーションがない場合にどのように応答するかを調べた。その結果、海馬ニューロンの大半は、視覚刺激に応じて活動の変化を示し、それは刺激の角度特徴に基づいていることが分かった。これは、海馬ニューロンが視覚皮質と同様に、付加的な要求なしでも視覚情報に応答して符号化できることを示唆している。
2022年2月17日号の Nature ハイライト
材料科学:内蔵されたエネルギー源
量子物理学:核スピンを用いたレジスター
プラズマ物理学:深層強化学習によるトカマクの設計
計測学:多重化光格子時計の実現
物性物理学:異常金属散乱のスケーリング
材料科学:高強度アルミニウム合金の捕捉水素の解析
環境科学:夜間の温暖化が地球規模の火事を強める
進化神経科学:コウモリ類の内耳構造
植物科学:成長損失を伴わないうどんこ病抵抗性
神経科学:海馬場所細胞の視覚選択性
神経科学:喉の渇きが癒される仕組み
ウイルス学:アルファウイルスはリポタンパク質受容体を使って感染する
免疫学:白血病寛解後の長期持続CAR T細胞の特徴
がん遺伝学:がんに見られるクラスター形成変異とAPOBEC3の役割
細胞生物学:多形性グリオブラストーマでの変異はEGF受容体の二量体化に影響する
計算生物学:新規タンパク質の設計はまず骨格を決めてから
構造生物学:シナプス外に存在するαβ GABAA受容体の構造