Nature ハイライト Cover Story:誰でも使える電子地図作り:グーグル・アース によって大きく進んだ地球のデジタル地図化 2006年2月16日 Nature 439, 7078 グーグル・アース(Google Earth)が行っている衛星写真、地図と各種モデルを連動させたサービスは、ズームもすこぶるやりやすく、しかも無料で利用できるため、あっという間にあちこちで使われるようになった。これを使えば自分が地球上のどんなところにいるのかを把握できるばかりでなく、珍物を見る楽しみも味わえる。しかし、グーグル・アースや他のバーチャル地球システムによるこのような地図の「民主化」は、目新しいだけのおもちゃではない。今後は、研究者が空間的データを扱うのに大きく関係してくるだろう。D Butlerが、こうした方法が将来どのように発展していくかをNews Feature(p.776)で論じている。また、グーグル・アースの災害救助に際しての有用性は、ハリケーンに襲われたニューオーリンズとパキスタンの地震で既に証明された。I Nourbakhshたちは、Commentary(p.787)で、この技術が自然災害対策を大変革させ、人類に多大な恩恵をもたらすのは間違いないだろうと述べている。表紙に写るのは地震のあったパキスタンで、グーグル・アースとMDA Earth Satの画像を組み合わせたもの。オーバーレイ提供:ドイツ航空宇宙センター(DLR)、the Global Connection Project、Kathryn Cramer。 2006年2月16日号の Nature ハイライト 宇宙:見えたり見えなかったりする星 神経:サルの脳はよい悪いを評価する 気候:植物からの蒸散が減るにつれて大陸規模での河川流出量が増加する 植物:明らかになった同系交配の予防機構 化学:イオン性液体も気体になる 目次へ戻る