Nature ハイライト
生物地球化学:春の奔流
Nature 603, 7899
今回、恐竜の時代を突然終わらせたチクシュルーブの衝突が、北半球の春に起こったことが示された。この知見は、北米の白亜紀最後の堆積物において、津波に起因する突然の河川の逆流の痕跡の中に並んで発見された、濾過摂食性のチョウザメ類およびヘラチョウザメ類の大量死の遺骸群集の分析により得られたもので、これらの魚類の鰓耙には衝突で生じた岩屑が見つかったが、それより先の消化器系には岩屑は見られなかった。骨の成長を調べた結果、これらの魚が死んだのは春であったことが示唆された。チクシュルーブの衝突が北半球の春に起きたことが、その後の生物相の繁栄に直接影響を及ぼした可能性がある。
2022年3月3日号の Nature ハイライト
物性物理学:磁性トポロジカル物質
加速器物理学:プラズマ粒子加速器の進展
物性物理学:シリコン上に形成されたトポロジカルナノドメイン
材料科学:炭素同位体の拡散の画像化
エネルギー科学:全ペロブスカイトタンデム太陽電池で新記録
地球科学:冥王代の水和した不均質なマントル
生物地球化学:春の奔流
社会科学:温暖化を抑える要因
神経科学:広域の機構による特異的なニューロン配線の調節
神経変性疾患:FTD/ALS関連バリアントとTDP-43の結び付き
微生物学:肺の微生物相と脳の自己免疫の結び付き
免疫学:重症COVID-19の炎症病態にはcGAS–STING経路が関与する
自己免疫疾患:多発性硬化症の一卵性双生児不一致例研究
細胞生物学:低用量メトホルミンの作用機構
がん:複数のがんに効く薬剤の組み合わせを探す
ウイルス学:構造から判明したラッサウイルスの受容体認識機構
構造生物学:NALCNチャネロソーム複合体の構造と機能