Nature ハイライト

認知:ムクドリはヒト言語の「文法」がわかる?

Nature 440, 7088

鳴禽類は、これまでヒトに特有の能力だと思われていた方法で、自分たちの歌の「文法」を認識できるようだとT Gentnerたちが報告している。  彼らが調べたのは「再帰」として知られる現象で、これは単純な原則を何度も適用して単語や成句を別の語句の中に次々と組み込んでいくという、言語がもつ大きな特徴の1つである。ノーム・チョムスキーを初めとする言語学者たちは、「再帰」の使用とその認識はヒト固有の能力だと提唱してきた。  今回、ホシムクドリにおける一連の研究で、単語の代わりに「さえずり」や「ガラガラ鳴き」を使って、ホシムクドリがより単純な文法から再帰型文法の認識を学習できることが明らかになった。これとは対照的に、タマリン属のサルはこの区別をできないことが過去の研究で報告されている。  「再帰を認識する能力が鳴禽類やヒト、そしておそらく一部のクジラ目動物といった、新しい発声パターンを獲得できる動物種にしかみられないとしたら、それは興味深いことだ」とG F MarcusはNews and Viewsで語っている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度